「Pusha T – Coming Home」他、週刊新譜る10(2019/8/21~8/28)

「Pusha T – Coming Home」他、週刊新譜る10(2019/8/21~8/28)
 

週刊新譜る10 [2019年8月21日~8月28日分]

直近7日間にリリースされたアメリカのHipHop/R&Bの新譜や新作ミュージックビデオの中から、”これだけは抑えておきたい10曲”を厳選して紹介している当サイトのメインコーナー。今回は2019年8月21日から28日の間にリリースされたものから選出。

Pusha T – Coming Home feat. Ms. Lauryn Hill


ビデオ公開日2019年8月28日
収録タイトル
元ネタ

Virginia州Virginia Beachのラッパー、Pusha Tの新曲。New Jersey州East Orange出身で、かつて一世を風靡した女性ラッパー/シンガーのLauryn Hillを客演に招いた曲。
現在Pusha Tは「薬物法により終身刑を言い渡された者を救おう」というキャンペーン(Third Strike Campaign)を行っており、それに合わせた内容となっている。それ故主役の語り口にも説得力があるが、それ以上にやはりLauryn Hillの存在感に痺れる。 本曲は、彼が所属するレーベル「G.O.O.D. Music」からボスであるKanye WestとCharlie Heat 、更にRap-A-Lot諸作品でその手腕を発揮しKanye Westの楽曲も多数手掛けてきたMike Deanがプロデュース。2016年にリリースされた”Sia – Reaper”のビート(こちらもKanyeが手掛けている)でも同じフレーズが使われており、また一説では制作時期も同時期であったことから、本曲はあちらの別バージョンとして作られたビートではないかと思われる。


「Third Strike Campaign」公式サイト:
https://www.thirdstrikecampaign.com/cominghome

RJmrLA – Time feat. Young Thug

ビデオ公開日2019年8月27日
収録タイトルOn God [2019年8月9日リリース]
元ネタ

California州Los AngelesはSouth Centralのラッパー、RJmrLAの新作ミュージックビデオ。Georgia州AtlantaからYoung Thugを客演に招いた曲。主役のコーラス、ヴァースの途中で脳天をぶち抜くようなハイトーンなラップに切り替わるthug、と中毒性が高い。ビートを手掛けているのは、YGやG-Eazyなどのプロデュースで知られるDJ Swish。Inglewood出身のプロデューサーらしく現行の西海岸らしいサウンドを聴かせる。

Joe Moses – Go Viral feat. Future & Metro Boomin


ビデオ公開日2019年8月28日
収録タイトル
元ネタ

California州Los Angelesのラッパー、Joe Mosesの新作ミュージックビデオ。AtlantaからFutureを招き、ここでもL.A.~ATLの共演が楽しめる。現行西海岸サウンドにTrapらしさを加えたMetro Boominによるビートも印象的だが、それを乗りこなす両者のやさぐれたフロウが痛快。

Future – 100 Shooters feat. Meek Mill & Doe Boy


ビデオ公開日2019年8月22日
収録タイトル
元ネタ

そのFuture自身による新作ミュージックビデオ。Pennsylvania州PhiladelphiaからMeek Mill、Ohio州East ClevelandからFutureのレーベル「Freebandz」に所属しているDoe Boyを客演に招いた曲。どっしりと存在感を放つ主役、キレキレのMeek Mill、両者の中間のような温度差で手堅く聴かせるDoe Boyと三者三様のラップが楽しめる。

Snoop Dogg – Main Phone feat. Rick Rock & Stressmatic


ビデオ公開日2019年8月24日
収録タイトルI Wanna Thank Me [2019年8月16日リリース]
元ネタ

California州Long Beachのラッパー、Snoop Doggの新作ミュージックビデオ。同州Fairfieldから、ラップグループ「The Federation」の一員としても知られるStressmaticを客演に招いた曲。楽曲を手掛けているのは、そのThe Federationの仕掛け人でもある Rick Rock (ベイエリア勢を始め生前の2pac、その他非西海岸勢に至るまで、多くの楽曲を手掛けるプロデューサー)で、ベイエリア以外にも対応可能な男であることから、本曲は単純に”ベイのサウンドに乗るSnoop”と言う訳ではない。どちらかと言うとDPG直系のあのサウンドに近いものが感じられ、違和感なく楽しめる。
週刊新譜る10(2019/7/24~7/31)」に選出した新曲”Countdown”と言い、新しいことをしつつも原点をしっかりと匂わせる作風が素晴らしい。

Joell Ortiz – Before Hip-Hop


ビデオ公開日2019年8月22日
収録タイトルMonday [2019年8月30日リリース]
元ネタ

New YorkはBrooklynのラッパー、Joell Ortizの新作ミュージックビデオ。HipHopによって人生がどのように変わったかを語る彼らしい曲で、正統派な東海岸サウンドを聴かせる。映像も故Craig Mackの名曲”Flava In Ya Ear (Remix)”のミュージックビデオを意識して作られたようだ。

$tupid Young – Lights Out


ビデオ公開日2019年8月23日
収録タイトルTrue Story II [2019年9月13日リリース予定]
元ネタ

California州Long Beachのラッパー、$tupid Youngの新作ミュージックビデオ。Ty Dolla $ignを細く、よりスムースにしたような独特なフロウが味わい深い。現行西海岸サウンドをグッとAtlantaに寄せたようなビートも、的確にシーンの動向を捉えているように感じられる。

Jacob Latimore – Old Thang Back


ビデオ公開日2019年8月26日
収録タイトルConnection2 [2019年4月12日リリース]
元ネタ

Wisconsin州Milwaukeeのシンガー/俳優、 Jacob Latimoreの新作ミュージックビデオ。キャッチー過ぎずどことなく垢抜けないサウンドは絶妙で、イケイケな外見とのミスマッチさもかえって好印象を受ける。 見た目に華はありつつも、楽曲は正統派なR&Bというバランスの取れた良曲。

Louis York – Don’t You Forget


ビデオ公開日2019年8月23日
収録タイトル American Griots [2019年10月18日リリース予定]
元ネタ

New YorkのシンガーソングライターClaude Kellyと、Illinois州East St. Louis出身のミュージシャン/プロデューサーChuck Harmonyからなるデュオ=Louis Yorkの新曲ビデオ。本曲10月にリリースが予定されているデビューアルバム「American Griots」からのリードシングルで、明らかに現在のシーンに対するカウンター的な狙いが感じられる曲。デビュー作とは言え、両者供に(裏方としてではあるが)グラミーのノミネート暦も複数回あるベテラン。もはや職人芸とも言えるサウンドは絶品だ。

Macy Gray – Buddha feat. Gary Clark Jr  


ビデオ公開日2019年8月23日
収録タイトルRuby [2018年9月21日リリース]
元ネタ

Ohio州Canton出身のシンガー、Macy Grayの新作ミュージックビデオ。Texas州AustinのギタリストGary Clark Jr.を招いた曲で、後半は彼のギターが重なり心地良い哀愁さが増す。「時間は残されていなくとも、”今”は大丈夫」と言うメッセージも、彼女の独特なしゃがれた歌声により、一層深みが感じられる。

週刊新譜る10 [2019年8月21日~28日分] まとめ

今週は、地域やキャリアが異なる者同士による意外なコラボ曲を多めに選出した。中でも”Pusha T – Coming Home ”はやはりLauryn Hillの存在感が大きく、組み合わせの意外性も相まって驚きのある一曲だった。
またR&Bを3曲選出したが、どの曲も本来のR&Bらしさが感じられ非常に良かった。現行シーンに標準を合わせたサウンドも良いが、広まりすぎてしまうとやはり新鮮味に欠けるため、こういった原点に立ち返るようなR&Bにも注目したい。

皆さんも気になった曲はあっただろうか?是非新譜のチェックに活用していただきたい。