「Trae tha Truth – I’m On 3.0」他、週刊新譜る10(2019/1/10~16)

「Trae tha Truth – I’m On 3.0」他、週刊新譜る10(2019/1/10~16)
 

週刊新譜る10 [2019年1月10日~16日分]

直近7日間にリリースされたアメリカのHipHop/R&Bの新譜や新作ミュージックビデオの中から、”これだけは抑えておきたい10曲”を厳選して紹介している当サイトのメインコーナー。今回は2019年1月10日から16日の間にリリースされたものから選出。

Trae tha Truth – I’m On 3.0


ビデオ公開日2019年1月14日
収録タイトルTha Truth Pt. 3
元ネタ

Texas州Houstonのラッパー、Trae tha Truthの新作ミュージックビデオ。T.I.、Dave East、Tee Grizzley、Royce Da 5’9″、Curren$y、Snoop Dogg、Fabolous、Rick Ross、Chamillionaire、G Eazy、Styles P、E-40、DRAM、Gary Clark Jr.、Mark Morrisonとあまりにも豪華な客演陣を迎えた8分超(ビデオは9分超)という大作。”3.0″というタイトルから分かる通り、”I’m On(2011)””I’m On 2.0(2012)”とシリーズ化している楽曲だが、1作目でサンプリングされた「Mark Morrison – Return of the Mack」の声ネタがここでも使用されている。
2017年にハリケーン・ハービーがアメリカ南部を襲った際、地元にて救援活動を行う姿も報じられたTrae。ハッタリではないリーダーらしさを感じずにはいられない。



Sauce Walka – Prius


ビデオ公開日2019年1月10日
収録タイトルSauce Ghetto Gospel 
元ネタ

同じくHouston出身のラッパー、Sauce Walkaの新作ミュージックビデオ。不穏なTrapビートの上をテンション高めなフロウで突き進む流れは爽快。ビデオでは煙を吐くフ○ーザ様の姿も。



Willie The Kid – Going Up


ビデオ公開日2019年1月10日
収録タイトル
元ネタ

Michigan州Grand Rapids出身のラッパー、Willie The Kidの新曲。彼らしい伝統的な東海岸HipHopに通じるサウンドは、


これは、彼が生まれる直前にニューヨークからミシガンに移り住んだ、彼の家族に起因するものだと言えるだろう。

引用: https://p-vine.jp/artists/willie-the-kid

とも言われている。音楽性が似ている ラッパーSmoke DZAのプロデュースでも知られるJxke Cregxnによるビートと、主役のひたむきなフロウは、HipHop本来の魅力に改めて気付かせてくれる。



Conway The Machine – Fentanyl


ビデオ公開日2019年1月13日
収録タイトルEIF 2
元ネタ

2017年にEminem率いる「Shady Records」と契約し話題になったNew York州Buffaloのラッパー、Conway The Machine(Conway)の新作ミュージックビデオ。彼もまた伝統的な東海岸サウンドを継承するラッパーの一人だが、本曲でもその姿勢は一貫している。ミュージックビデオを頻繁に公開するタイプのラッパーではないため、是非チェックしておいて欲しい。



Don Q – Everlasting


ビデオ公開日2019年1月16日
収録タイトルUnderrated
元ネタ

New YorkはBronxのラッパー、Don Qの新作ミュージックビデオ。同郷のA Boogie wit da Hoodieと共に、ほんの数年で全国的にその存在を知られるようになった彼。NY流に消化したTrapビートを、ローカルなギャングスタ感満載のフロウで乗りこなす、地味ながら痺れる一曲。


ニュース: Don Qに関する記事が掲載されています。



Nas – Everything feat. The-Dream & Kanye West


ビデオ公開日2019年1月11日
収録タイトルNasir
元ネタThe Heliocentrics – Space Time Girl

先週の「週刊新譜る10(2019/1/3~1/9)」に続き、New Yorkのベテランラッパー、Nasの新作アルバム「Nasir」からの新作ミュージックビデオ。スロウなビート上で、一拍ずつ言葉を踏み固めて行くような丁寧で説得力あるラップを聴かせる。ロンドンのFunk/JazzバンドThe Heliocentricsの”Space Time Girl(2009年)”をサンプリングした、渋くNasらしい一曲。



Yella Beezy – My Way Up


ビデオ公開日2019年1月15日
収録タイトルAin’t No Goin Bacc
元ネタ

Texas州Dallasのラッパー、Yella Beezyの新作ミュージックビデオ。 主役のねちっこいフロウと、彼の楽曲を多数手掛けている同郷のプロデューサーShun On Da Beatによる芸の細かいビートは中毒性抜群。一聴してTexas勢だと分かる独特なユルさにも引き込まれる。



C-Bo – Animal 


ビデオ公開日2019年1月11日
収録タイトル
元ネタ

California州Sacramentoのベテランラッパー、C-Boの新作ミュージックビデオ。近隣地域のサウンドにも通じる渇いたファンクサウンドを、相変らずなゴリゴリのフロウで突き進む。一昔前にローカルなギャングスタラップに夢中になったような”G”な愛好家の方々には、未だに健在な彼の姿を紹介しておきたい。



NBDY – Admissions 


ビデオ公開日2019年1月11日
収録タイトル
元ネタ

New Jersey州Newarkの新人シンガー、NBDYの新曲。2011年に一度消滅した名門レーベル「Arista Records 」が最近になり復活したと報じられており、本曲はその新生Aristaからのリリースとなったよう。新人らしくまだ垢抜けない印象も受けるが、その点が憂いを帯びた歌声にかえって深みを持たせているようにも感じられる。



Chaka Khan – Hello Happiness


ビデオ公開日2019年1月14日
収録タイトルHello Happiness
元ネタ

Illinois州Chicago出身の、大ベテランシンガーChaka Khanの新作ミュージックビデオ。本曲は、2月15日にリリース予定の新作アルバム「Hello Happiness」からのセカンドカット。アルバムのリリースは2007年の”Funk This”以来12年振りとなる。70~80年代を思わせるサウンドはファンク~ソウルファンにはたまらないはずだ。

リリース予定日参照:
https://singersroom.com/content/2019-01-14/chaka-khan-hello-happiness-release-date/

週刊新譜る10 [2019年1月10日~16日分] まとめ

今週はTexas勢と、アナログの質感が印象的な東海岸らしいサウンドを多めに厳選した。中でもやはり「Trae tha Truth – I’m On 3.0」の豪華客演陣による圧巻のマイクリレーは絶対にチェックしておきたい一曲だ。特にHipHop初心者で「まだ誰を聴いたら良いのか分からない」というような方なら、「I’m On」3部作の客演陣を足がかりに掘り下げてみるのも良いだろう。

皆さんも気になった曲はあっただろうか?是非新譜のチェックに活用していただきたい。