Simpleな10の掟

「HipHopを愛するため」の10の掟

このページではSimple 10が提唱する、HipHopを本当に愛するためのシンプルな10の掟を紹介します。読者の皆様に押し付ける訳ではありませんし、必ずしも同意していただきたいものでもありません。そこまで頭でっかちにならなくても・・・というのも大いに結構です。気になるものがあれば参考にしてみてください。

1. 本場アメリカのHipHopを聴け

今や世界各国へ飛び火し、それぞれの地で独自に発展を遂げるHipHop。しかし、やはりHipHopはアメリカから生まれた文化。本場を無視してHipHopを語ることは出来ないと考えます。

例えば、日本生まれのパスタ”ナポリタンスパゲッティ”を知っていればイタリアン料理を知ったことになるのか?

“カリフォルニアロール”を知っていれば、寿司を知ったことになるのか?

私は日本語ラップは日本語ラップであり、アメリカ生まれのHipHopとは本質的には別物であると考えます。



2. 新譜は絶えずチェックせよ

HipHopの特徴の一つとして、年代ごとにサウンドの特徴が全く違う点が挙げられます。ある時期に新しいサウンドが生み出され、従来のスタイルを発展させる・・・競争が激しいこの文化ならではの現象だと感じます。この”変化”を受け入れ、またそれを知ることはHipHopを楽しむ上では欠かせないと考えます。



3. 名盤と呼ばれる旧譜はチェックすべし

文化というものは世代を超えて脈々と受け継がれていくもの。前述の”スタイルの発展や変化”を楽しむためには、同時に時代を遡ってみることも大切です。現行サウンドに通じる発見もあるかも知れません。



4. HipHopは”地域”で聴け

かつて程ではない(また全てのアーティストに言える訳ではない)ものの、HipHopのサウンドには地域毎の特色が存在します。2018年現在主流の”Trap”というサウンドでも、アトランタ、シカゴ、ニューヨークなど、同じTrapでもどこか違った雰囲気を感じます。HipHopに根強い地域信仰・地元信仰を思えば、こういった地域差を知ってこそ楽しみの幅は広がります。お気に入りの地域を見つけて、その街のメジャーからマイナーなラッパーまで一通り掘り下げてみるのも良いと思いますよ。



5. 和訳は信頼出来る翻訳者のものか見極めよう

私達日本人が本場のHipHopを楽しむ際にどうしても避けては通れない問題が、歌詞についてです。特にHipHopは現地の者にしか分からない(またはHipHopに精通した者にしか分からない)言い回しや比喩、ダブルミーニング等が多いため、単に英語力が高いだけでは和訳ミス/解説不足に繋がるケースが見受けられます。個人がやっている和訳サイトだけでなく、大手レコード会社の国内盤であっても稀にそのようなケースが見られますので、過信は禁物です。



6. シーンの動向をチェックすべし

HipHopは様々な地域/レーベル/アーティスト間での交流や競争が起こりながら発展してきたもの。そのため本場のHipHopを楽しみたいのであれば、特定のアーティストだけを追うのではなく、シーン全体を意識しながらチェックするべきです。

「最近は○○というラッパーを客演でよく見掛けるな」

「近頃この手のサウンドが多くなってきたな」

等、お気に入りのアーティスト以外にも目を向けることで、現在のHipHopの状況を自分なりに理解することが出来ます。



7. チェックするのは”楽曲≧ゴシップ”とすべし

「誰々との間にビーフが勃発した」「○○の発言が物議を醸している」等、HipHopにはゴシップが付き物です。こういった動きを知ることは前述の通りシーンの動向を知るには欠かせませんし、楽曲をより理解することにも繋がります。但し大前提としてこれは「音楽」ですから、ゴシップばかりを追うのではなく、楽曲や作品を知る・楽しむことが何より大切であると考えます。文字よりも音が主体であるべきです。



8.  知識自慢はするべからず

私達日本人にとって本場のHipHopに関する知識は、基本的に”外から見たもの”でしかありません。その上、新旧のアルバム、日々リリースされる楽曲、各地のメジャー/マイナーなラッパーの存在・・・膨大な情報量を考えれば、全てを把握することは不可能でしょう。そのため、

「○○のことも知らないのか」

「あのアルバムも持っていないのか」

というような会話はするべきではありません。あなたの知るHipHopと、相手が知るHipHopは同じとは限らないのです。



9. 音楽にお金を払うべし

これはHipHopに限った話ではありませんが、音楽を楽しむ上でとても大切なことだと思います。よく「90年代の音楽は良かった」とか「2000年頃までの音楽は良かった」という声は聞きますし、私もそのように感じる人間の一人ですが、当時はレコードやCDを”購入”するのが当たり前の時代でしたよね。お金を払って手に入れた物だからこそ愛着が沸く/より良い物を手にしたいと思う、そういった消費者の存在がより良い作品作りに繋がる・・・このようなサイクルがあったからこそ、あの頃の音楽は良かったと感じるのではないでしょうか。

無料で観られるミュージックビデオやミックステープを中心に聴くことは全く否定しませんし(私や当サイトもそうですし)、Spotifyのような便利な定額サービスもあります。時代の変化や、世の中が便利になることは決して悪いことではありません。それでも、特に気に入った曲やアルバム位はお金を払って手に入れてみたり、ライブに足を運んでみてはいかがでしょう。スマートフォンの画面からは決して味わうことの出来ない楽しみがあるはずです。またそういった行動は、アーティストやレーベルに対しファンからの最も分かりやすいサポートの仕方とも言えるでしょう。



10. 自国の文化を大切に

アメリカのラッパーのミュージックビデオを観ていると、国旗を掲げていたり、自分達の街をアピールするアイテムを身に付けていることがよくあります。先にも述べた地元信仰=自分達のコミュニティや文化をアピールする精神が根強いためと思われますが、これを我々日本人が取り入れるとどうなるでしょうか。

そのまま真似をして星条旗を掲げることが、日本人としてのHipHopらしさでしょうか?

せっかくこの文化を愛するのであれば、本当の意味でのHipHopらしい精神も身に付けたいものです。