「The Game – Welcome Home」他、週刊新譜る10(2020/4/122~4/29)
- 2020.05.03
- 週刊新譜る10
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週刊新譜る10 [2020年4月22日~29日分]
7日間ごとにアメリカのHipHop/R&Bの新譜・新作ミュージックビデオの中から”これだけは抑えておきたい10曲”を厳選し、ランキング形式で紹介している当サイトのメインコーナー。 今回は2020年4月22日から29日の間にリリースされたもので、Simple10がチェックした主要なリリース82曲の中から選出。
- 1. 10位 Mario – Closer
- 2. 9位 Rah Swish – Woo Forever
- 3. 8位 Davido – D & G feat. Summer Walker
- 4. 7位 Blueface – Vibes
- 5. 6位 Trey Songz – Back Home feat. Summer Walker
- 6. 5位 BSF – “Da Mob” & “Quarantine” feat. Benny The Butcher, Rick Hyde & Heem
- 7. 4位 Rod Wave – Fuck The World
- 8. 3位 Richie Rich – No Higher feat. Snoop Dogg, Mozzy & 4 rAx
- 9. 2位 The Notorious B.I.G. – Bastard Child
- 10. 1位 The Game – Welcome Home feat. Nipsey Hussle
- 11. 週刊新譜る10 [2020年4月22日~29日分] まとめ
10位 Mario – Closer
ビデオ公開日 | 2020年4月24日 |
収録タイトル | – |
元ネタ | – |
Maryland州Baltimore出身のシンガー、Marioの新曲ビデオ。愛する女性への「もっと近付きたい」という気持ちが溢れる溺愛ソング。抑揚のあるメロ、甘く優しい歌声、Trapを下地に敷いたビート、と美味しい要素満載。近年、というか2010年代以降完全にピークが過ぎた印象を受けるが、それでもこの男の歌声はやはり別格。
9位 Rah Swish – Woo Forever
ビデオ公開日 | 2020年4月29日 |
収録タイトル | – |
元ネタ | – |
New York市Brooklynのラッパー、Rah Swishの新作ミュージックビデオ。如何にもBrooklynのDrill勢らしいサウンドで、ダークな語り口とピリピリとした空気がたまらない。フロウも安定感がある。
8位 Davido – D & G feat. Summer Walker
ビデオ公開日 | 2020年4月23日 |
収録タイトル | A Good Time [2019年11月22日リリース] |
元ネタ | – |
Georgia州Atlanta生まれ、ナイジェリア育ちのシンガーDavidoの新作ミュージックビデオ。ビートを手掛けたのはナイジェリアのプロデューサーKiddominantと、AtlantaのLondon on da Track。TLCの” No Scrubs“をサンプリングしたのかと思うようなギター、そこへ乗る哀愁を纏った主役とSummer Walkerの歌声。しっとりとした都会的な雰囲気が漂う。
7位 Blueface – Vibes
ビデオ公開日 | 2020年月4日24日 |
収録タイトル | Find The Beat [2020年3月13日リリース] |
元ネタ | – |
California州Los Angeles出身のラッパー、Bluefaceの新作ミュージックビデオ。リリックは良い意味でそれ程深みは無く、ビッチたちと楽しむ様子などがサラッと語られている。ビートを手掛けるのは“Eminem – Godzilla”などのプロデュースで知られるIllinois州Chicagoのd.a. got that dope。キャッチーなシンセブラスが癖になる。
6位 Trey Songz – Back Home feat. Summer Walker
ビデオ公開日 | 2020年4月29日 |
収録タイトル | – |
元ネタ | “Rose Royce – I’m Going Down [1976年]” |
Virginia州Petersburg出身のシンガー、Trey
Songzの新作ミュージックビデオ。Georgia州AtlantaのシンガーSummer Walkerを客演に招いた曲。自宅で楽しい様子を過ごす人々の映像は、自粛期間中の過ごし方の参考にもなるし、何より「皆同じ状況なんだ」という安心感を得ることが出来る。Cam’Ronのヒット曲”Oh Boy”でもサンプリングされた“Rose Royce – I’m Going Down”を、その“Oh Boy”っぽく再構築したようなビートもポイント。
5位 BSF – “Da Mob” & “Quarantine” feat. Benny The Butcher, Rick Hyde & Heem
ビデオ公開日 | 2020年4月24日 |
収録タイトル | – |
元ネタ | – |
New York州BuffaloのラッパーBenny the
Butcherと、その近辺のラッパーからなるクルーBlack
Soprano Family(BSF)の新作ミュージックビデオ。シングル2曲を1本のミュージックビデオにまとめたもので、両曲ともBuffalo勢らしいサウンドが堪能出来る。Bennyが所属するもう一つのグループGriselda程のアクの強さは感じられず、これがかえって良い。
4位 Rod Wave – Fuck The World
ビデオ公開日 | 2020年4月23日 |
収録タイトル | Pray 4 Love [2020年4月3日リリース] |
元ネタ | – |
Florida州St. Petersburgの若手ラッパーRod Waveの新作ミュージックビデオ。先週の“The Last Sad Song”と同様、ブルージーなサウンドと内省的なリリックがたまらない。ラップとシングを起用に行き来するフロウも素晴らしい。
3位 Richie Rich – No Higher feat. Snoop Dogg, Mozzy & 4 rAx
ビデオ公開日 | 2020年4月24日 |
収録タイトル | The Grow Room [2020年4月20日リリース] |
元ネタ | – |
California州OaklandのベテランRichie Richの新曲ビデオ。本曲は例の日に合わせてリリースされたアルバム「The Grow Room」に収録されており、Snoop Dogg、Mozzyを客演に招いた曲。楽曲を手掛けているのはOaklandのプロデューサーデュオThe Mekanixで、メンバーの4rAxがコーラスにも参加している。もはやビートが主導権を握っているような印象すら受けるThe Mekanixらしいスムースなサウンドと、相変わらず渋い語り口のRichie Richは相性抜群。ローカルギャングスタ感のある西モノビートに乗るSnoopも久々ではなかろうか。
2位 The Notorious B.I.G. – Bastard Child
ビデオ公開日 | 2020年4月27日 |
収録タイトル | – |
元ネタ | “Cloe Martin – Life Race [1974年]” |
New York市Brooklynのラッパー、故Notorious
B.I.Gの新曲。と言っても所謂未発表曲ではなく、彼の既存曲のヴァースを繋ぎ合わせたもの。手掛けたのはMassachusetts州Boston出身の人気プロデューサーStatik Selektah。ここでもStatikらしいサウンドが全開で、Bad Boy制作陣や当時のリミックスとは明らかに異なるBiggieが楽しめる。 “Somebody Gotta Die”のアルバム未収録のバージョンと“Dead Wrong”のオリジナルバージョン(=“Hope
You Niggas Sleep”のヴァース)という、マニアックなヴァースが使用されている点も嬉しい。
1位 The Game – Welcome Home feat. Nipsey Hussle
ビデオ公開日 | 2020年4月29日 |
収録タイトル | Born 2 Rap [2019年11月29日リリース] |
元ネタ | – |
California州Comptonのラッパー、The Gameの新作ミュージックビデオ。自身最後のアルバムとしてリリースされた「Born 2 Rap」に収録された曲で、同州Los Angeles市Crenshawのラッパーで2019年3月に凶弾に倒れたNipsey Hussleが客演に招かれている。自身のボースト、ストリートに知恵を授けるような説法、ラストアルバムであることの強調など、言いたいことを手短にぎゅっと詰め込んだような主役のヴァースもなかなかだが、それ以上に痺れたのはやはりNipsey。ここでのヴァースは生前本曲用に録らたものと思われるが、彼自身の死とその後レジェンド化されていく様子を予言しているかのようなラインは鳥肌もの。
週刊新譜る10 [2020年4月22日~29日分] まとめ
今週Simple 10がチェックした主要なリリースは82曲。コロナ関連の楽曲やミュージックビデオ、また(これは今週に限った話ではないが)ビデオではマスクを着用しているラッパーがちらほら見られ、現在の状況を作品に取り入れる姿が印象的だった。が、それ以上に筆者が注目したのは”The Game – Welcome Home feat. Nipsey Hussle”の、特にNipseyのヴァース。PacやBiggieもそうだが自身の死をテーマにする者は何故それが現実となってしまうのか。現実となり得る状況を察知しているからこそリリックに書き綴るのか。いずれにせよ彼らの言葉は決してフィクションやハッタリでは無い、現実そのものなのだと改めて感じさせられた。
皆さんも気になった曲はあっただろうか?是非新譜のチェックに活用していただきたい。
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