「Ryan Leslie – Forever My Love」他、週刊新譜る10(2019/1/17~23)

「Ryan Leslie – Forever My Love」他、週刊新譜る10(2019/1/17~23)
 

週刊新譜る10 [2019年1月17日~23日分]

直近7日間にリリースされたアメリカのHipHop/R&Bの新譜や新作ミュージックビデオの中から、”これだけは抑えておきたい10曲”を厳選して紹介している当サイトのメインコーナー。今回は2019年1月17日から23日の間にリリースされたものから選出。

Ryan Leslie – Forever My Love


ビデオ公開日2019年1月18日
収録タイトルFleurier Flows
元ネタ

Washington D.C.出身のアーティスト/プロデューサー、Ryan Leslieの新作ミュージックビデオ。Cassieのデビュー曲”Me & U”を手掛け、その後は自身のアルバムがグラミーにノミネートされるなど、華々しい経歴を持つ彼。当時のR&Bを思い起こさせるような、キャッチーで爽やかなサウンドが楽しめる。



India Arie – What If


ビデオ公開日2019年1月18日
収録タイトルWorthy(2月15日リリース予定)
元ネタ

Colorado州Denver出身のシンガー、India Arieの新作ミュージックビデオ。2月15日にリリースされる新作アルバム”Worthy”からのセカンドカットで、アフリカ系アメリカ人として(更に女性からの視点も含まれているだろう)、社会への疑問を投げかけている。ブリッジ明けからの突然の転調もパワフルで、終始引き込まれる。
グラミー賞、BET Awardsなど数々の賞にノミネート/受賞してきた彼女、アルバムも期待しておこう。



Casanova – 2AM feat. Tory Lanez & Davido


ビデオ公開日2019年1月18日
収録タイトルFree At Last
元ネタ

New YorkはBrooklynのラッパー、Casanovaの新作ミュージックビデオ。もう一人のゲストDavidoは、Atlantaで生まれナイジェリアで活動するシンガー。プロデューサーも30 Roc(「Playlist: The Best of 2017」で選出した”Yo Gotti – Rake It Up feat. Nicki Minaj”」等を手掛ける、Bronx出身の人物。)であるにも関わらず、Davido名義の曲かと思う程、ナイジェリアンポップらしさを感じられる。”ホーム”と”アウェイ”が間逆になったような面白さだ。

T-Pain – Getcha Roll On feat. Tory Lanez


ビデオ公開日2019年1月23日
収録タイトル1Up (リリース予定日不明)
元ネタ

Tory Lanezが客演した曲をもう一つ。Florida州Tallahassee出身のシンガー/プロデューサー、T-Painの新作ミュージックビデオ。歌とラップの中間のようなフロウが溢れている昨今のシーンだが、やはりT-Painは格別。普段とは違う忙しないビートを乗りこなす、Troy Lanezの”余所行き感”も楽しめる。



Royce da 5’9″ – Cocaine


ビデオ公開日2019年1月18日
収録タイトルBook of Ryan
元ネタ

一方、ラッパーでありながら普段とは異なる歌うようなフロウを披露しているのが、Michigan州DetroitのRoyce da 5’9″。「如何にもMC」と言えるような堅実なラップを聴かせてきた彼だけに、新境地を感じさせる。コーラスで歌っているのはかつてDr.Dreのレーベル「Aftermath」に所属していたシンガーNikki Grierで、気だるくなりがちなサウンドの中、良いアクセントになっている。



Sheek Louch – Salsa Confuego


ビデオ公開日2019年1月19日
収録タイトルBeast Mode, Vol. 2
元ネタ

New York州Yonkersで結成されたベテランラップグループThe Loxの一員、Sheek Louchの新作ミュージックビデオ。同グループ関連の楽曲を多数手掛けてきたプロデューサーVinny Idolによる不穏なビート上で、迫力あるラップを聴かせる。ホラーな雰囲気すら漂うサウンドは癖になる。



Lil Wayne – Don’t Cry feat. XXXTentacion


ビデオ公開日2019年1月22日
収録タイトルTha Carter V
元ネタ

Louisiana州New Orleans出身のベテランラッパー、Lil Wayneの新作ミュージックビデオ。主役の唯一無二の声とフロウは勿論だが、何より2018年に凶弾に倒れたXXXTentacionのコーラスがあまりに印象的。聴けば聴く程ズルズルと楽曲の世界へ引きずり込まれる、そんな一曲。



Tyga – Girls Have Fun feat. G-Eazy & Rich The Kid


ビデオ公開日2019年1月22日
収録タイトル
元ネタ

California州Compton出身のラッパーで、かつてはLil Wayneと同じCash Money Recordsに所属(同時にWayneのYoung Money Entertainmentにも所属)していた、Tygaの新曲ビデオ。近年の西海岸らしい音使いに南部のTrapらしさを加えた、彼らしいサウンド。客演陣も豪華な割りに、サラッと聴き終えてしまう疾走感も良い。



Dom Kennedy – Late Night aka Incomparable
feat. Jay 305


ビデオ公開日2019年1月17日
収録タイトルVolume 2
元ネタ

South Los AngelesはLeimert Parkのラッパー、Dom Kennedyの新作ミュージックビデオ。同じくSouth L.A.からJay305を招き、程良く力の抜けた両者のフロウが心地良い。L.A.のプロデューサーPoly Boyによる現代版G-Funkとも呼べるビートも、西モノ好きにはたまらないはずだ。



Kirk Knight – Downtime 


ビデオ公開日2019年1月22日
収録タイトル IIWII
元ネタ

New YorkはBrooklyn出身のラッパーで、Joey Bada$$ら同地のラッパーで結成されたグループPro Eraの一員でもある、Kirk Knightの新作ミュージックビデオ。自身が手掛ける哀愁漂うビートの上で、今どきのラッパーらしい器用なフロウを聴かせる。制作にはAbleton Liveを使用しているようで、

Liveが好きな理由のひとつは、サンプルのピッチを変更してすべてをうまくまとめることができるからです。3種類のサンプルをひとつのまとまりとして扱うことができるんです。

引用: https://www.ableton.com/ja/blog/input-output-kirk-knight/

と語る通り、本曲でもサンプリングと思われる上モノが独特な世界観を演出している。



週刊新譜る10 [2019年1月17日~23日分] まとめ

今週筆者が調査した限りでは良曲のリリースが多く、様々なタイプの楽曲を厳選する形になった。改めて本場アメリカのシーンの厚さ/レベルの高さを痛感させられるが、同時に新譜を追い続けることの楽しさも感じていただけたのではないだろうか。
Atlanta勢~Trapの盛り上がりが落ち着いた今、特定のサウンドやスタイルに偏らないシーン=数年おきに発生する面白い時期がまた到来しているようだ。

皆さんも気になった曲はあっただろうか?是非新譜のチェックに活用していただきたい。