~HipHop/R&Bが最も人気のジャンルとなった1年を振り返る~ Playlist:「The Best of 2017」
- 2018.01.12
- PLAYLISTS
Simple10が選んだ2017年HipHopの総まとめ!「The Best of 2017」
2017年にリリースされた無料で入手可能な楽曲の中から、シーンの1年を振り返るプレイリストを作成。流し聴きするも良し、気に入った曲のみチェックするも良し、ご自身の端末にダウンロードしていくのも良し。お好みでご活用ください。(すぐ下のYoutube動画がすでに25曲流れるプレイリストになっています。)
今回のプレイリストの選曲基準・ルール
①2017年中にリリースされた、公式による無料ダウンロードが可能な曲/またはMixtapeに収録されている曲で、かつミュージックビデオが存在する曲。(ビデオの公開年は異なる場合もあり。)
②2017年に活躍が目立ったアーティストや、同年のシーンを象徴するサウンドを可能な限り選出。
③再生数やDL数ではなく、管理人の好みで選出。
④プレイリストとしての流れも意識した曲順で作成。
※各リンク、元サイト側による削除等あった場合はご容赦ください。
「The Best of 2017」を一曲ずつ紹介
それでは選出曲を1曲ずつ見ていこう。
- 1. Yo Gotti & Mike WiLL Made-It – Letter 2 The Trap
- 2. YBS Skola – YBS x OTM feat. Young Moose
- 3. Lil Uzi Vert – XO Tour Llif3
- 4. Ugly God – Water
- 5. Curren$y – Fast Car
- 6. Dom Kennedy x Hit-Boy – In The Hills feat. Quenten Miller
- 7. Kirko Bangz – Taking pictures
- 8. Chevy Woods – Everynight
- 9. Zoey Dollaz – On Smash
- 10. Young Scooter – Diamonds feat. A Boogie Wit Da Hoodie & Don Q
- 11. Wale – Black Is Gold
- 12. Casanova – Tax Letter
- 13. Maino – Family
- 14. Don Q – Chasing These Bands feat. PnB Rock & Fabolous
- 15. Marty Baller – Like Mike feat. A$AP Ferg, Smooky Margielaa & Aexyz
- 16. Troy Ave – Tonight
- 17. K Camp – F W Y B
- 18. Yo Gotti – Rake It Up feat. Nicki Minaj
- 19. Starlito & Don Trip – GYABag
- 20. Juicy J – No Look
- 21. Moneybagg Yo – Yesterday feat. Lil Durk
- 22. YBS Skola – Spinning Dem Benz
- 23. Tory Lanez – Anyway
- 24. Lil Durk – India
- 25. Cam’ron – Lean
- 26. 2017年のHipHopシーンを総括!よりメロディアスな楽曲が多い傾向に
Yo Gotti & Mike WiLL Made-It – Letter 2 The Trap
ビデオ公開日 | 2015年11月9日 |
収録タイトル | Gotti Made-It |
元ネタ | – |
まずはTennessee州MemphisのラッパーYo Gottiから、ユルめのスタート。手掛けたのはAtlantaの人気プロデューサーMike WiLL Made-Itで、両者によるコラボMixtape”Gotti Made-It”に収録された一曲。このような非ギャングスタなビートを起用する動きは、他ラッパーの間でも見られ、2017年のシーンを象徴するサウンドと言えるだろう。
YBS Skola – YBS x OTM feat. Young Moose
ビデオ公開日 | 2015年12月12日 |
収録タイトル | Only Hope 2 |
元ネタ | – |
Simple 10管理人が注目するラッパーの一人、Maryland州BaltimoreのラッパーYBS Skola。日本だけでなくアメリカ国内でもまだ知名度が低い存在だが、地元での人気はかなりあるようで、メディアへの露出も少しずつ増えてきている。旬なサウンドにマッチしたユルく軽やかなフロウが癖になる。
ニュース: YBS Skolaに関する記事が掲載されています。
Lil Uzi Vert – XO Tour Llif3
ビデオ公開日 | 2015年10月1日 |
収録タイトル | Luv Is Rage 1.5 EP |
元ネタ | – |
2017年8月にデビューアルバム”Luv Is Rage 2″をリリースした、Pennsylvania州PhiladelphiaのラッパーLil Uzi Vert。Atlantaのプロデューサー軍団808 MafiaからTM88と、恐らくTM88のプロデューサーでもあるJW Lucasという若手プロデューサーが手掛けるサウンドは、Trapサウンドの進化を感じられる。本曲は全米シングルチャート「US Billboard Hot 100」にて最高7位を記録。また、デビューアルバムは「US Billboard 200」「US Top R&B/Hip-Hop Albums」で1位を獲得し、昨年特に活躍が目立つ存在だった。
Ugly God – Water
ビデオ公開日 | 2015年10月22日 |
収録タイトル | The Booty Tape(現在は公式による無料ダウンロードは削除されているようです。) |
元ネタ | Papadosio – We Are Water , iLoveMakonnen – Trust Me Danny |
Texas州Houstonを拠点に活動するラッパーUgly God。昨年は、毎年恒例のXXL誌による新人特集企画「Freshman Class」に選出、またデビュー作である”The Booty Tape”はUS Billboard 200にて最高27位を記録するなど、好調な一年だったよう。気だるい語り口は、iLoveMakonnenやLil Pumpなどを手掛けるAtlantaのプロデューサーDanny Wolf製のユルいビートに上手くハマっている。
Curren$y – Fast Car
ビデオ公開日 | 2015年11月24日 |
収録タイトル | The Fo20 Massacre |
元ネタ | – |
序盤はまだまだユルい曲を続けて。Louisiana州New OrleansのラッパーCurren$y。こちらは「Future – Mask Off」のビートを使ったものだが、主役のダラリとしたフロウはFuture以上に相性が良いように感じられ、真夜中のクルージングにぴったりな一曲に。
Dom Kennedy x Hit-Boy – In The Hills feat. Quenten Miller
ビデオ公開日 | 2015年7月21日 |
収録タイトル | Half-A-Mil 3 EP |
元ネタ | – |
California州Los AngelesはLeimert Park出身のラッパーDom Kennedyと、Fontana出身のラッパー/プロデューサーHit-BoyのコラボMixtape”Half-A-Mil 3 EP”からの一曲。小気味良いビートに三者の落ち着いたフロウが上手くまとまった、地味ながらも安定感のある良曲。Trapをベースにしながらも木漏れ日のような温かみのあるサウンドが西海岸らしい。
Kirko Bangz – Taking pictures
ビデオ公開日 | 2015年7月27日 |
収録タイトル | Progression 17 |
元ネタ | – |
Texas州HoustonのラッパーKirko Bangz。どこか西海岸に通じるサウンドが多い地域なだけあり、この曲もビデオ通りの青空が似合うスムースさ。手掛けるのは同郷のプロデューサーTrakksoundsで、Houstonらしいご当地サウンドが楽しめる。
Chevy Woods – Everynight
ビデオ公開日 | 2015年11月5日 |
収録タイトル | Exactly What They Want |
元ネタ | – |
Pennsylvania州Pittsburgh出身、同郷のWiz Khalifa率いるレーベル”Taylor Gang”の一員としても知られるラッパーChevy Woods。派手さは無いが、緩急のある構成によって終始惹きつけられる。彼の楽曲は、昨年の「The Best of 2016」に続いて2年連続の選出。
Zoey Dollaz – On Smash
ビデオ公開日 | 2015年12月31日 |
収録タイトル | Nobodys Safe |
元ネタ | – |
ユルい流れが続いた前半、ここで一端緊張感のある曲を。Florida州MiamiのラッパーZoey Dollaz。ピアノとストリングスが奏でる不穏な空気は、ジリジリと追い詰められていくような緊張感を演出。
ニュース: Zoey Dollazに関する記事が掲載されています。
Young Scooter – Diamonds feat. A Boogie Wit Da Hoodie & Don Q
ビデオ公開日 | 2015年9月4日 |
収録タイトル | Jugg King |
元ネタ | – |
Georgia州AtlantaのラッパーYoung Scooter。2016年、知名度・人気共に急上昇したNew YorkのラッパーA Boogie Wit Da HoodieとDon Qを客演に招いた中毒性の高い一曲。Migosの楽曲を多数手掛けるGeorgia州AthensのプロデューサーStack Boy Twaunによる、芸が非常に細かいビートも素晴らしい。
Wale – Black Is Gold
ビデオ公開日 | 2015年6月16日 |
収録タイトル | Before I Shine |
元ネタ | D’Angelo – Lady |
Washington, D.C.出身のラッパーWale。D’Angeloが1996年にリリースした人気曲”Lady”をサンプリングし、黒人女性達の美しさを讃えた一曲。1曲目から現行サウンドが続いた流れにここで一息。
Casanova – Tax Letter
ビデオ公開日 | 2015年8月3日 |
収録タイトル | Be Safe Tho |
元ネタ | Jay-Z – Song Cry |
元ネタが懐かしい曲を続けて。2016年に同郷の大先輩Jay-Zが主宰するレーベル”Roc Nation”との契約を果たし、知名度が一気に高まったNew YorkはBrooklynのラッパーCasanova。この曲は、同年に起こったTroy Aveへの銃撃事件に関与したとして逮捕されたポッドキャスターTaxstonへ捧げたもの。
Maino – Family
ビデオ公開日 | 2015年5月29日 |
収録タイトル | Party & Pain |
元ネタ | – |
同じくBrooklynから、Mainoのこの曲を。同郷のラッパーDios Morenoを客演に招き、2小節ずつ交互にラップをしていく珍しい構成で聴かせる。優雅で伸び伸びとしたビート上で”ファミリー”への愛を綴る姿は、まさに彼の愛称K.O.B(King of Brooklyn)だ。
Don Q – Chasing These Bands feat. PnB Rock & Fabolous
ビデオ公開日 | 2015年12月22日 |
収録タイトル | Corner Stories |
元ネタ | – |
同じくNew Yorkの、こちらはBronxのラッパーDon Q。2016年には同郷でレーベルメイトのA Boogie Wit Da Hoodieと共に知名度が上がってきていたが、前述の通り昨年は更に露出が増え飛躍の年となった。どこか垢抜けない主役のフロウは、ダークなサウンドと相まって危険な香りが充満する。
ニュース: Don Qに関する記事が掲載されています。
Marty Baller – Like Mike feat. A$AP Ferg, Smooky Margielaa & Aexyz
ビデオ公開日 | 2015年10月1日 |
収録タイトル | Baller Nation |
元ネタ | – |
New YorkはHarlemのラッパーで、現地の大所帯クルーA$AP Mobの一員でもあるMarty Baller。曲中では2番手のVerseに登場する彼だが、客演陣の個性も非常に強烈で、4人のマイクリレーにも関わらずあっと言う間に聴き終えてしまう。笑ってしまう程ヘロヘロなフロウを聴かせる最後のAexyzが特に効く。
Troy Ave – Tonight
ビデオ公開日 | 2015年12月25日 |
収録タイトル | Nupac |
元ネタ | – |
同じくヘロヘロな歌声を披露しつつもこちらはさすがの安定感で聴かせる、BrooklynのラッパーTroy Ave。自身を2Pacの再来とした収録タイトル”Nupac”には批判が集まったが、2016年はMixtapeを5作リリースするなど、相変らず活発な動きを見せてくれた。Trapの音使いをNY流に仕立てた得意のタイルは、既に熟練の域。
K Camp – F W Y B
ビデオ公開日 | 2015年4月7日 |
収録タイトル | K.I.S.S. 4 |
元ネタ |
New York勢が続いた後は、前半と同じように再び浮遊感のあるサウンドを。Georgia州AtlantaのラッパーK Camp。彼の十八番であるユルいビートと力の抜けたフロウで、心地良い世界へ。
Yo Gotti – Rake It Up feat. Nicki Minaj
ビデオ公開日 | 2015年4月7日 |
収録タイトル | Gotti Made-It |
元ネタ | Too $hort – Freaky Tales |
MemphisのラッパーYo Gottiをもう一度。Too $hort の” Freaky Tales”のベースラインとウッド系のパーカッションをサンプリング(弾き直しと思われる)し、Nicki Minajを招いたTwerk向けの一曲。登場した途端にメジャー仕様の空気にガラリと変わるNickiの異物感が痛快。
Starlito & Don Trip – GYABag
ビデオ公開日 | 2015年6月24日 |
収録タイトル | Step Brothers: Karate In The Garages |
元ネタ | – |
同じくTennessee州から、それぞれNashvilleとMemphisを拠点にするラッパーStarlito とDon Tripの共演曲。2011年よりコラボ作を度々リリースしてきた両者なだけあり、それぞれのキャラが一曲の中で上手くまとまっている。もう一度聴きたくなるような、物足りなさを感じさせる程のスピード感も印象的だ。
Juicy J – No Look
ビデオ公開日 | 2015年9月7日 |
収録タイトル | Gas Face |
元ネタ | – |
Memphisのラッパーを続けて、Juicy Jのこの曲を。相変らず808 Mafia勢との相性は抜群で、Southsideが手掛けるダークなTrapも完全にJuicy Jらしいサウンドとして聴くことが出来る。早口のフロウであっても、若手には無い落ち着きと貫禄を感じさせる。
Moneybagg Yo – Yesterday feat. Lil Durk
ビデオ公開日 | 2015年11月4日 |
収録タイトル | Heartless |
元ネタ | – |
Memphisのラッパーを更に続けて、Moneybagg Yo。同郷のプロデューサーTrack Gordyが手掛ける物悲しいビートに、Illinois州Chicago出身のラッパーLil Durkを招いた一曲。この辺りから徐々に終盤へ向かう流れに。
YBS Skola – Spinning Dem Benz
ビデオ公開日 | 2015年10月30日 |
収録タイトル | Only Hope 2 |
元ネタ | – |
Memphis勢が続いた後は、再び登場のYBS Skola。独特なメロディアスなフロウはこの曲でも聴くことができ、そのスタイルは既に完成されたもののようだ。声質・フロウと、一聴して彼だと分かるラップは、似たようなスタイルが蔓延している現在のシーンでは強烈な個性を放っている。
Tory Lanez – Anyway
ビデオ公開日 | 2014年11月3日 |
収録タイトル | The New Toronto 2 |
元ネタ | – |
この辺りで一曲歌モノを、カナダ出身のシンガーTory Lanez。ラップと歌を行き来するようなヴォーカルスタイルだけでなく、ファッションに至るまで、現在のシーンを象徴するような存在の彼。2017年のグラミー賞では、前年のデビューアルバム「I Told You」からのシングル”Luv”がBest R&B Songにノミネートされ、近年一気に飛躍したアーティストの一人と言えるだろう。
Lil Durk – India
ビデオ公開日 | 2016年1月5日 |
収録タイトル | Signed To The Streets 2.5 |
元ネタ | – |
先程客演で登場したLil Durk自身の楽曲を。地域柄か元々ハードな印象が強いChicagoのDrill Music勢だが、彼の場合はメロウなサウンドをこなせる辺りが、現地の同世代のラッパー達の中から頭一つ分以上抜き出た存在となり得た理由だろう。この曲は彼女であるIndia Royaleに捧げたもの。
Cam’ron – Lean
ビデオ公開日 | 2016年1月5日 |
収録タイトル | The Program |
元ネタ | Bill Withers – Lean on Me |
最後は、Harlem出身のラッパーCam’ron。2017年は、ソロでのまとまった作品としては恐らく3年振りに”The Program”をリリース。本曲はClub NouveauやAaliyah等、数々のアーティストがカバーや替え歌でサンプリングしてきた72年の名曲、”Bill Withers – Lean on Me”(海外ドラマ”Glee”で聴いたことがある方もいるのでは?)をゴスペル風に仕立てた、ラストに相応しい一曲。
2017年のHipHopシーンを総括!よりメロディアスな楽曲が多い傾向に
全25曲紹介してきたが、いかがだっただろうか。2017年のシーンは、引き続きアトランタ発祥のTrapをベースにしつつも、浮遊感があるキャッチーでユルめのビートが多く、それに合わせてよりメロディアスなラップ=歌うようなフロウを取り入れる動きが著明に見られた。このような動きは数年前からじわじわと見られていたが、今後更なる広がりを見せるだろう。
今回のプレイリストは昨年のそういった楽曲・アーティストをしっかりと抑えた上で、Troy AveやJuicy Jら過去の同企画でもお馴染みのアーティストをバランス良く選出した。是非活用していただきたい。
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