「2 Chainz – Rule The World」他、週刊新譜る10(2019/3/6~3/13)

「2 Chainz – Rule The World」他、週刊新譜る10(2019/3/6~3/13)
 

週刊新譜る10 [2019年3月6日~13日分]

直近7日間にリリースされたアメリカのHipHop/R&Bの新譜や新作ミュージックビデオの中から、”これだけは抑えておきたい10曲”を厳選して紹介している当サイトのメインコーナー。今回は2019年3月6日から13日の間にリリースされたものから選出。

2 Chainz – Rule The World feat. Ariana Grande


デオ公開日2019年3月11日
収録タイトルRap or Go to the League
元ネタAmerie – Why Don’t We Fall in Love (2002年)

※上記曲の元ネタ:Dave Grusin – Condor! (Theme)/I’ve Got You Where I Want You(1975年)

Georgia州College Park出身のラッパー、2 Chainzの新作ミュージックビデオ。「週刊新譜る10(2019/1/31~2/6)」で紹介した”Ariana Grande – 7 Rings Remix”に招かれていた2 Chainzだが、今回は2 Chainzの楽曲にArianaが招かれる形に。R&Bファンには懐かしいヒット曲”Amerie – Why Don’t We Fall in Love”をサンプリングしたビート上で、両者ともいつもより落ち着いた雰囲気で聴かせる。しっとりとしたサウンドが味わい深い。



Mariah Carey – A No No


ビデオ公開日2019年3月8日
収録タイトルCaution
元ネタLil’ Kim – Crush on You feat. Lil’ Cease and The Notorious B.I.G. (1996)

New York州Huntington出身の大ベテラン、Mariah Careyの新作ミュージックビデオ。ややラップに寄せたような昨今のR&Bのスタイルをしっかりと取り入れながらも、 伸びやかな歌声と高音シャウトは本曲でも健在。 特にラストの歌声は圧巻。”Lil’ Kim – Crush on You”をサンプリングし独特の南部バウンスを感じるこのビートは・・・やはりJermaine Dupriプロデュース。



Lil Duval – Pull Up feat. Ty Dolla Sign


ビデオ公開日2019年3月6日
収録タイトル
元ネタSnoop Dogg & LIl’ Duval Kill ‘Em Wit the Shoulders(2016年) ※リリックの引用

Florida州Jacksonville出身の、”歌えるコメディアン”Lil Duvalの新作ミュージックビデオ。出だしから飛び出すトークボックスにより高まる期待は、数秒後には確信へ。G-Funk的なスムースさがたまらない本曲は、「”Bruno Mars – 24K Magic”はメジャー感がちょっと強すぎる」という人に是非ともおすすめしたい。



Too $hort – Give Her Some Money


ビデオ公開日2019年3月12日
収録タイトルThe Pimp Tape
元ネタ

California州Oaklandのラッパー、Too $hortの新作ミュージックビデオ。Tee Grizzleyら多数のラッパーを手掛けるMichigan州Detroitのプロデューサー、Helluvaによるベイエリア仕様のビートは、従来のToo $hortらしいサウンドを踏襲。主役も水を得た魚状態のフロウで、グイグイと突き進む。



Cypress Hill – Pass the Knife


ビデオ公開日2019年3月12日
収録タイトルElephants On Acid
元ネタ

California州South Gate出身のベテランラップグループ、Cypress Hillの新作ミュージックビデオ。メンバーのDJ Muggsが手掛ける”らしい”ビート、そこへ加わるB-Realの甲高いラップ、HookをまとめるSen Dogと、彼らの持ち味が見事に発揮された曲。あまりにも不気味で中毒性の高いサウンドに痺れる。



Wiz Khalifa & Curren$y – Garage Talk


ビデオ公開日2019年3月12日
収録タイトル2009
元ネタ

Pennsylvania州Pittsburgh出身のWiz Khalifaと、Louisiana州New Orleans出身のラッパーCurren$yの新作ミュージックビデオ。本曲は2月8日にリリースされた両者のコラボアルバム「2009」に収録されていて、オールドスクール風のドラムに攻撃的なシンセベースが強烈。そのせいか普段はユルめのフロウが多い両者も、ここではやや激しめにスピット。



Mercy – See What I See


ビデオ公開日2019年3月11日
収録タイトル
元ネタ

Georgia州Atlantaのラッパー、Mercyの恐らく1作目となるミュージックビデオ。若手ながら、極端に音数が少ないビート上でこれ程安定感のあるラップを聴かせるのはお見事。彼は現在、Wu-Tang ClanのGZAやDrakoらが所属するレーベル「Babygrande Records」と契約を果たしており、今後が楽しみな存在だ。



Locksmith – Stars feat. Murs


ビデオ公開日2019年月日
収録タイトルAli
元ネタDionne Warwick – Forever My Love (1965年)

California州Richmondのラッパー、Locksmithの新作ミュージックビデオ。Los AngelesのラッパーMursを客演に招き、ライミング巧者な両者らしく手慣れたラップを聴かせる。”Dionne Warwick – Forever My Love”を使ったアナログの質感が強いビートも相まって、HipHopの基本を再確認出来るような一曲。



DJ Kay Slay – My Sister’s Keeper feat. Nya Lee, Lexxy, EMC Scotty & Meet Sims


ビデオ公開日2019年3月11日
収録タイトルHip Hop Frontline
元ネタ

New YorkのDJ、DJ Kay Slayの新作ミュージックビデオ。Illinois州ChicagoのラッパーEMC Scottyを除く全員がNY勢という布陣だが、何より印象的なのは三人の女性ラッパーがそれぞれ繰り出すキレキレなフロウ。癖の強いMeet Simsのコーラスすら、まとめ役として上手く収まってしまう程だ。時よりスピード感が増すビートの構成も、より勢いを感じさせる。



Juice WRLD – Hear Me Calling 


ビデオ公開日2019年3月11日
収録タイトルDeath Race For Love
元ネタ

Illinois州Chicago出身のラッパー/シンガー、Juice WRLDの新作ミュージックビデオ。キャッチーでメロディアスなフロウは、ダンスホール調のビートと相性抜群。ビートを手掛けるのは、アトランタのプロデュースチーム808 Mafiaから、メロウ職人のPurps。本曲が収録されているアルバム”Death Race For Love”では4曲程、Juice WRLDとPurpsのタッグを聴くことが出来る。



週刊新譜る10 [2019年3月6日~13日分] まとめ

今週は、特に「2 Chainz – Rule The World 」や「Mariah Carey – A No No」といった、比較的新しく著名な元ネタをサンプリングした楽曲が面白く感じられた。またこのような楽曲に加え、トークボックスを使った「Lil Duval – Pull Up」なども、従来のサウンドを取り入れながらも、単なる焼き回しでは無い現代流の楽曲に仕上がっている点が興味深かった。

皆さんも気になった曲はあっただろうか?是非新譜のチェックに活用していただきたい。