「Lil Tecca – Did it Again」他、週刊新譜る10(2019/2/27~3/6)

「Lil Tecca – Did it Again」他、週刊新譜る10(2019/2/27~3/6)
 

週刊新譜る10 [2019年2月27日~3月6日分]

直近7日間にリリースされたアメリカのHipHop/R&Bの新譜や新作ミュージックビデオの中から、”これだけは抑えておきたい10曲”を厳選して紹介している当サイトのメインコーナー。今回は2019年2月27日から3月6日の間にリリースされたものから選出。

Lil Tecca – Did it Again


ビデオ公開日2019年3月2日
収録タイトル
元ネタ

New YorkはQueensのラッパー、Lil Teccaの新作ミュージックビデオ。サラっとした軽やかなフロウでありながら、奥底には力強さも感じられる個性的なラップを聴かせる。Juice WRLDなどのプロデュースで知られるNick Miraによるビートも物悲しいピアノフレーズが印象的で、思わず溜め息が出るような哀愁を漂わせる。


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T-Pain – A Million Times feat. O.T. Genasis


ビデオ公開日2019年3月4日
収録タイトル1UP
元ネタ

Florida州Tallahassee出身のシンガー/プロデューサー、T-Painの新作ミュージックビデオ。メジャー向けのキャッチーさと楽曲のクオリティは、さすがと言わざるを得ない。そのため客演に招かれたO.T. Genasisもどこか余所行きモード。「週刊新譜る10(2019/2/7~2/13)」にて、新作アルバムのリリースが近そうだと書いたばかりだが、本曲を収録した「1UP」は2月27日にリリースされている。



Mike WiLL Made-It – We Can Hit (Round 1)  feat. Crime Mob & Slim Jxmmi


ビデオ公開日2019年3月5日
収録タイトルCreed II: The Album
元ネタ

Georgia州Atlantaのプロデューサー、Mike Will Made Itの新作ミュージックビデオ。自身のレーベル「EarDrummers」に所属するラップデュオRae SremmurdからSlimJxmmiと、同郷のラップグループCrime Mobを招いたバウンスチューン。南部らしいビートでありながら三連符のフロウには早すぎるBPM、参加ラッパーによる合唱系のHookなど、2000年頃のアトランタサウンドを思い起こさせる。本曲は、2018年に全米で公開された映画「Creed II(邦題:クリード 炎の宿敵)」のサウンドトラック「Creed II: The Album 」に収録されている。



2 Chainz – Money In The Way


ビデオ公開日2019年3月4日
収録タイトルRap or Go to the League
元ネタ

Georgia州College Parkのラッパー、2 Chainzの新作ミュージックビデオ。ブラスループが壮大さを演出し、時よりゴスペルっぽくもあるビート上で、優雅で落ち着いたフロウを聴かせる。プロデュースは、これまでも2 ChainzをはじめMigosやYoung dolph等Trap系ラッパー達を手掛けてきたBuddah Blessと、Key Glocらを手掛けるJabz。



Nick Grant- Straight Up feat. Tweet


ビデオ公開日2019年3月4日
収録タイトル
元ネタ

South Carolina州生まれで現在はAtlantaを拠点に活動するラッパー、Nick Grantの新作ミュージックビデオ。Missy Elliottらに見出され2000年代初頭に活躍したシンガー、Tweetを客演に招いたスムースな曲。アナログの質感が強いビート上で、ゆったりしつつも軽快に乗りこなす主役のラップが味わい深い。またTweetは、ここのところソロ曲ではあまりパッとしない印象があっただけに、彼女の持ち味が上手く生かされた本曲は嬉しい。



Kayo Genesis – Hometown


ビデオ公開日2019年3月1日
収録タイトルBad Sushi
元ネタ

Los AngelesはPalmdaleのラッパー、Kayo Genesisの新作ミュージックビデオ。こちらもアナログの質感が強いローファイなビートと、スムースなフロウが相性抜群で、程良く展開を持たせた構成もお見事。収録タイトルのコンセプトであろうか、時折日本らしい音ネタが入るのもポイント。



Roddy Ricch – Down Below 


ビデオ公開日2019年2月28日
収録タイトルFeed the Streets 2
元ネタ

Los AngelesはComptonのラッパー、Roddy Ricchの新作ミュージックビデオ。何とも言えない憂いを帯びたフロウは独特なユルさがあり、聴き手を脱力させる。ビートはなんとScott Storchが手掛けており、Trapでありながらも、ハードなクラップやエレピのフレーズからStorchらしさもしっかりと感じられる。



EGYPXN – Summer Salt 


ビデオ公開日2019年3月6日
収録タイトル
元ネタ

情報があまりに少なく、出身地も不明(筆者の推測ではリッチモンドのラッパー?)ではあるが、EGYPXNの新作ミュージックビデオ。浮遊感が漂う脱力系サウンドが心地良い世界へ誘う。夏向けの曲を聴くにはまだ気が早い時期ではあるが、春~夏向けのプレイリストにおすすめしたい。ビデオの撮影地であるマイアミのような、リゾート感のあるロケーションで聴きたい一曲。



The Amours – All The Time


ビデオ公開日2019年3月1日
収録タイトルMon Amour(今春リリース予定)
元ネタ

Washington, D.C.出身で、PJ Mortonのバックグラウンドヴォーカルも務める姉妹シンガーデュオ 、The Amoursのデビュー曲。Trapを下地にしつつもゆったりと都会的なサウンドは、夢見心地で聴き入ってしまう。ソウル寄りだが角のない優しい歌声も印象的で、今後の動きに注目したい存在だ。



38 Spesh – Trust Gang feat. Klass Murda, Green Double & Benny The Butcher


ビデオ公開日2019年3月5日
収録タイトル38 Strategies Of Raw
元ネタ

New York州Rochesterのラッパー、38 Speshの新作ミュージックビデオ。緊張感のあるビート上で繰り広げられる、燻し銀なラッパー達によるマイクリレーがたまらない曲。Green Doubleなるラッパーの正体は不明だが、恐らく4者ともNew Yorkのラッパーと思われ、ハードで正統派なHipHopを聴かせる。



週刊新譜る10 [2019年2月28日~3月6日分] まとめ

今週は、スムースでメロディアスな楽曲を中心に選出した。中でも「Lil Tecca – Did it Again」「Roddy Ricch – Down Below 」「EGYPXN – Summer Salt 」辺りの若手ラッパー達の楽曲は、他の世代にはない独特なユルさが味わい深い。

皆さんも気になった曲はあっただろうか?是非新譜のチェックに活用していただきたい。