「Megan Thee Stallion & Normani – Diamonds」他、週刊新譜る10(2020/1/8~2020/1/15)

「Megan Thee Stallion & Normani – Diamonds」他、週刊新譜る10(2020/1/8~2020/1/15)
 

週刊新譜る10 [2020年1月8日~15日分]

7日間ごとにアメリカのHipHop/R&Bの新譜や新作ミュージックビデオの中から、”これだけは抑えておきたい10曲”を厳選して紹介している当サイトのメインコーナー。今回は2020年1月8日から15日の間にリリースされたもので、Simple10がチェックした主要なリリース63曲の中から選出。

Megan Thee Stallion & Normani – Diamonds


ビデオ公開日2020年1月9日
収録タイトルBirds of Prey: The Album [2020年2月7日リリース予定]
元ネタ

共にTexas州Houstonを拠点に活動する、ラッパーMegan Thee Stallionと昨年「Motivation」が話題になったNormaniによる新作ミュージックビデオ。日本では3月20日に公開される映画「Birds of Prey(邦題: ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY)」のサウンドトラックに収録される予定の曲。ビデオでは劇中を再現したと思われるシーンも多く見応えがある。旬な両者なだけに、「怖いもの無し」と言った感じのイケイケ具合に痺れる。

「Birds of Prey」 公式サイト: http://wwws.warnerbros.co.jp/harleyquinn-movie/

Rapsody – Afeni feat. PJ Morton


ビデオ公開日2020年1月10日
収録タイトルEve [2019年8月23日リリース]
元ネタ“Deniece Williams – Free [1976年]”

North Carolina州Snow Hillのラッパー、Rapsodyの新作ミュージックビデオ。Louisiana州New Orleans出身のシンガーPJ Mortonを客演に招いた曲。本曲は、収録曲のタイトル全てに”著名な黒人女性の名前”が付けられたアルバム「Eve」に収録されたもので、黒人女性の地位向上を訴えたもの。「Afeni」というのは言うまでもなく2Pacの母Afeni Shakurに由来する。コーラスでは、2Pacが生前Marcus Garvey Schoolという学校を訪れた際に披露した“Keep Ya Head Up(女性を尊重しようというメッセージが込められた彼のヒット曲の一つ)”のアカペラ部分が使われている。定番の大ネタ“Deniece Williams – Free”をサンプリングしたビートを手掛けたのはRapsodyの師匠でもある9th Wonder。元ネタから曲名まで一貫して「黒人女性の地位向上や尊敬を求める思い」を感じさせる内容になっており、このような問題に対する主役の強い意志が伺える。

Alicia Keys – Underdog


ビデオ公開日2020年1月9日
収録タイトル
元ネタ

New York州Manhattan出身のシンガーソングライター、Alicia Keysの新作ミュージックビデオ。やはりと言うべきか、1月26日に行われる第62回グラミー賞授賞式にて2年連続で司会を務める彼女が動きを見せた。本曲では、型を破り夢を追い続けるために立ち上がろうというメッセージが込められているが、決して説教くさくはならずどこかリラックスした雰囲気すら漂う。Ed Sheeranも制作に参加した絶品のメロディーラインと、それをまるで呼吸するかのように自然に/自在に歌いこなすAliciaの成熟した歌唱スキルが味わい深い。

OT Genasis – Tonight


ビデオ公開日2020年1月9日
収録タイトル
元ネタ“Vanessa Carlton – A Thousand Miles [2002年]”

California州Long beachのラッパー、OT Genasisの新作ミュージックビデオ。「Never Knew」でKeyshia Coleを驚きの替え歌にしたばかりだがこの路線はまだ続くようで、今回はVanessa Carltonの2002年の大ヒット曲“A Thousand Miles”(懐かしい!)をカバー。元の歌詞をわずかに引用しつつも原曲では有り得ない物騒な内容に替え歌されており、この原曲とのミスマッチさとあまりに下手過ぎる歌声、本人の真剣な演奏(?)が痛快。

Redman – Slap Da Shit Outcha


ビデオ公開日2020年1月13日
収録タイトル3 Joints [2020年1月10日リリース]
元ネタ

New Jersey州Newark出身のラッパー、Redmanの新作ミュージックビデオ。“Funk Doctor”の異名の通り、本曲でも彼らしい独特なファンクネスを堪能出来る。これは決してサウンド面だけではなく、リリックやビデオからもファンク臭を放っている。本来ならスネア代わりに使われるであろうクラップ音をリリックやビートと同期させる発想は面白い。

Papoose – Nasty Time feat. Bianca Bonnie


ビデオ公開日2020年1月10日
収録タイトル
元ネタ

New York市BrooklynのラッパーPapooseの新作ミュージックビデオ。同市Harlemの女性ラッパー、Bianca Bonnie(Hyphyブームの頃に“Chicken Noodle Soup”で可愛らしい声でラップしていたYoung Bだ)を客演に招いた曲。2019年のHipHop/R&Bベスト Playlist:「The Best of 2019」でも述べた通り、トレンドのサウンドを皆で追いかける動きは収束し個性的な楽曲が増えている流れを本曲からも感じることが出来る。2000年代中盤~終盤頃に多かったスカスカで縦ノリなサウンドが楽しい。

Griselda – Dr Birds


ビデオ公開日2020年1月8日
収録タイトルWWCD [2019年11月29日リリース]
元ネタ

New York州BuffaloのラッパーWestside Gunn、Conway The Machine、Benny The ButcherからなるグループGriseldaの新作ミュージックビデオ。Eminemが主宰するレーベルShady Recordsからリリースされた彼らのデビューアルバム「WWCD」に収録されたもの。毎度のことながら東海岸HipHopの原点に立ち戻るような彼らのサウンドを堪能出来る。

Russ – NIGHTTIME (Interlude)


ビデオ公開日2020年月日
収録タイトルShake The Snow Globe [2020年1月31日リリース予定]
元ネタ“Rihanna – Man Down [2010年]”

Georgia‎州Atlantaのラッパー、Russの新作ミュージックビデオ。時間の経過と共にトラブルが増える男女の仲、しかしそんな状態も“ナイトタイム”には消え去る、という情景を自身が手掛ける浮遊感あるサウンドに合わせて語る。途中“Rihanna – Man Down”の一節がサンプリングされているのも印象的。心地良いメロウさだけでなく、内容通りに妖艶な雰囲気が濃厚なビデオも見応えがある。

Uno Foster – BlockParty feat. Lil Baby


ビデオ公開日2020年1月12日
収録タイトル
元ネタ

Georgia‎州Atlantaのラッパー、Uno Fosterの新作ミュージックビデオ。地元のラッパーLil Babyを客演に招いた曲。この地らしくTrapではあるものの、ブルージーでどこかイナタいサウンドが印象的。コーラスも中毒性があり、派手さは無いがかなりの良曲。

Wale – Love… (Her Fault) feat. Bryson Tiller


ビデオ公開日2020年1月13日
収録タイトルWow… That’s Crazy [2019年10月11日リリース]
元ネタ

Washington, D.C.のラッパー、Waleの新作ミュージックビデオ。Kentucky州Louisville出身のシンガーソングライターBryson Tillerを客演に招き、壊れた男女の仲を描いた曲。切なくもメロウでスムースなサウンドが素晴らしく、主役のダラリとした語り口に対し、甘い歌声で全体を整えるTillerが効く。

週刊新譜る10 [2020年1月8日~15日分] まとめ

今週は年末年始も終わりUSシーンや現地主要メディアも通常営業に戻ったのかリリース情報がかなり多く、Simple10がチェックした新曲/新作ミュージックビデオは63曲。その中から厳選したため、かなり内容の濃い10曲になったかと思う。イケイケっぷりが素晴らしいMegan Thee Stallion & Normani、2PacをサンプリングしたRapsody、相変わらずファンク臭いRedmanなど、どれも独自性に溢れており非常に楽しい週だった。

皆さんも気になった曲はあっただろうか?是非新譜のチェックに活用していただきたい。