「Project Youngin & Ann Marie – On My Way」他、週刊新譜る10(2019/5/1~8)

「Project Youngin & Ann Marie – On My Way」他、週刊新譜る10(2019/5/1~8)
 

週刊新譜る10 [2019年5月1日~8日分]

直近7日間でリリースされたアメリカのHipHop/R&Bの新譜や新作ミュージックビデオの中から、”これだけは抑えておきたい10曲”を厳選して紹介している当サイトのメインコーナー。今回は2019年5月1日から8日の間にリリースされたものから選出。

Project Youngin & Ann Marie – On My Way


ビデオ公開日2019年5月2日
収録タイトルProject Swift (2019年3月28日リリース)
元ネタ

Florida州St. Petersburgのラッパー、Project Younginの新作ミュージックビデオ。彼の楽曲は”週刊新譜る10(2019/3/27~4/3)“にてカリブ海的スムースチューン”Thug Motivation”を選出しているが、本曲ではよりシンガーらしいコッテリと歌う姿も披露。Illinois州Chicagoからキュートな歌声が魅力の若き歌姫Ann Marieを招き、新世代アーティスト達の底力を見せ付ける。



Slim Thug – Lately / Poison


ビデオ公開日2019年5月3日
収録タイトルSuga Daddy Slim: On tha Prowl (2019年2月14日リリース)
元ネタ

Texas州Houstonのラッパー、Slim Thugの新作ミュージックビデオで、2019年2月にリリースされたアルバム「Suga Daddy Slim: On tha Prowl」に収録されている”Lately”と”Poison”の2曲をまとめたもの。両曲共にH-Town特有のユルいサウンドがたまらない。ボス然とした語り口と、男性シンガーによるコーラスから優雅さも漂う。



Bun B & Statik Selektah – I Know feat. Haile Supreme


ビデオ公開日2019年5月6日
収録タイトルTrillStatik (Deluxe Version) (2019年4月27日リリース)
元ネタ

Texas州Port ArthurのラッパーBun Bと、Massachusetts州Lawrence出身のDJ/プロデューサーStatik Selektahの新作ミュージックビデオ。本曲は両者のコラボアルバム「TrillStatik」に収録されたもの。Statik Selektahによるジャジーでユルめなサウンドは、ベテランBun Bのラップにより説得力を持たせる。哀愁漂うコーラスを歌うのはWashington D.C.のシンガー/ラッパーHaile Supreme(Abbay Misganaw)で、こちらもこの上ない程楽曲に合った人選と言える。チャラチャラとした雰囲気は無く、背筋が伸びるようなどこか大人なHiPHopだ。



Jay Critch – Don’t @ Me


ビデオ公開日2019年5月2日
収録タイトル
元ネタ

New YorkはBrooklynのラッパー、Jay Critchの新作ミュージックビデオ。No.pulpなるプロデューサーが手掛けるNY流Trapビートの上で、若手らしいフレッシュなフロウを聴かせる。派手さは無いが、淡々と切り進むラップが癖になる。



Logic – Homicide feat. Eminem


ビデオ公開日2019年5月2日
収録タイトルConfessions of a Dangerous Mind (2019年5月10日リリース予定)
元ネタ

Maryland州出身で現在はCalifornia州Los Angelesを拠点に活動するラッパー、Logicの新曲ビデオ。Michigan州DetroitからEminemを招き、両者の”Rap God”的早口ラップが炸裂する破壊力抜群の曲。ビートや洒落たフロウよりも、「ラップそのものの魅力・格好良さ」を改めて気付かせてくれる。尚アウトロでは、コメディアンであるChris D’EliaがYoutubeに投稿した、Eminemをモノマネしたラップがそのままサンプリングされている。彼のモノマネはEm本人がSNS上で反応を示す等以前から話題となっており、本曲での音源の使用について、Chrisは「名誉なことである」として無料で許可したとのこと。


Chris D’Eliaに関する情報参照:
https://hiphopdx.com/news/id.51317/title.comedian-chris-delia-gave-eminem-logic-his-vocals-for-free-99#



Yowda – Brick Man Remix
feat. Rick Ross


ビデオ公開日2019年5月1日
収録タイトル
元ネタ

Nevada州Las VegasのラッパーYowdaの新作ミュージックビデオ。原曲で客演していたZoey Dollazに代わり、Florida州Carol CityからRick Rossを招いたリミックスバージョン。思わず笑ってしまう程見た目からラップまで似ている両者だが、主役の後にその熱量を掻き消すようにゆったりとRossが登場する瞬間には空気が一変し、間延びすることなく楽しめる。



Philthy Rich – Troublesome 59 (Mozzy Diss)


ビデオ公開日2019年5月7日
収録タイトル
元ネタ 2Pac – Troublesome 96 [1998年]

California州Oaklandのラッパー、Philthy Richの新作ミュージックビデオ。本曲はタイトル通り、現在ビーフ真っ只中であるSacramento出身のMozzyへ向けたディス曲。”2Pac – Troublesome 96″をベイエリアらしい音使いで仕上げたビートに合わせ、攻撃的なライムを聴かせる。これまで共演する機会も多かった両者、今回の原因については、MozzyがベイのベテランMessy Marvのレーベルと契約をする動きを見せたことからPhilthyの反感を買った(彼は以前からMarvとビーフがある) という見方もあるようだ。



YG – Go Loko feat. Tyga & Jon Z


ビデオ公開日2019年5月3日
収録タイトル4Real 4Real (2019年5月24日リリース予定)
元ネタTrillville – Some Cut feat. Cutty [2004年]

California州Comptonのラッパー、YGの新作ミュージックビデオ。同郷出身のTygaと、プエルトリコ出身のJon Zを招いた曲。DJ Mustardと、2 Chainzらを手掛けるGYLTTRYPによるラテン色濃厚なビート上で、哀愁漂う三者のラップが味わい深い。メキシカン/チカーノに焦点を当てたサウンドやビデオは現行シーンにおいては明らかに異色を放っているが、変化球的な楽曲でありながらも、従来の主役・及びDJ Mustardらしい音使いはしっかりと感じることが出来る。



Raheem DeVaughn – Just Right


ビデオ公開日2019年5月3日
収録タイトルThe Love Reunion (2019年6月28日リリース予定)
元ネタ

Washington D.C.を拠点に活動するシンガー、Raheem DeVaughnの新曲ビデオ。メロウなビートに合わせ、ファルセットでしっとりと歌う彼らしい曲。”週刊新譜る10(2019/4/24~5/1)“で紹介した”Ari Lennox – Up Late”と同じく、都会的で大人なSoulミュージックだ。


収録アルバムリリース日参照:
https://ratedrnb.com/2019/05/raheem-devaughn-new-single-is-just-right/



Iggy Azalea – Started 


ビデオ公開日2019年5月3日
収録タイトルIn My Defense (リリース日未定)
元ネタ

オーストラリア出身の女性ラッパー、Iggy Azaleaの新作ミュージックビデオ。ビートを手掛けるのは”Cardi B – Bodak Yellow”のプロデュースで知られるTexas州DallasのプロデューサーJ. White Did It。それ故どことなくCardiを思わせる瞬間もあるが、悪ガキ感のあるフロウのCardiに比べると、真面目で手堅いラップがIggyらしく好印象だ。
尚本曲が収録される予定のアルバム「In My Defense」のエグゼクティブプロデューサーもJ. White Did Itが務めていることから、そちらも強力な作品になりそうだ。



週刊新譜る10 [2019年5月1日~7日分] まとめ

今週は、東西南の様々な地域から、メロウ~個性的な楽曲まで幅広く厳選した。中でも若手アーティスト同士が共演したメロウ曲”Project Youngin & Ann Marie – On My Way”は、両者が持ち味をしっかりと披露しつつもどこか背伸びした印象もあり、ベテランアーティストには無い新鮮さが感じられた。
一方でSlim Thug、Bun B、Logicの客演に招かれたEminem等、ベテラン勢による完成度の高い楽曲もあり、非常に楽しい週だった。


皆さんも気になった曲はあっただろうか?是非新譜のチェックに活用していただきたい。