「Snoop Dogg – Countdown」他、週刊新譜る10(2019/7/24~7/31)

「Snoop Dogg – Countdown」他、週刊新譜る10(2019/7/24~7/31)
 

週刊新譜る10 [2019年7月24日~31日分]

直近7日間でリリースされたアメリカのHipHop/R&Bの新譜や新作ミュージックビデオの中から、”これだけは抑えておきたい10曲”を厳選して紹介している当サイトのメインコーナー。今回は2019年7月24日から31日の間にリリースされたものから選出。

Snoop Dogg – Countdown feat. Swizz Beatz


ビデオ公開日2019年7月29日
収録タイトル
元ネタ”Ohio Players – Funky Worm [1972年]” ”Boyz II Men – Uhh Ahh [1991年]”

California州Long Beachのラッパー、Snoop Doggの新作ミュージックビデオ。Ruff Ryders制作陣の要、またAlicia Keysの夫としても知られるプロデューサーSwizz Beatzによるビートがとにかく強烈。Ohio Playersの定番ネタからG-Funkらしいリードシンセをサンプリングするも、リズム隊はSwizzらしい音使い。更に”Boyz II Men – Uhh Ahh”の印象的なカウントダウンまで用いる、とその発想力に驚かされる。 「現代版G-Funk」とまでは言わないが、ビデオでのSnoopの懐かしい着こなし(ペンダントヘッドはデスロウか?)も含め、”あの頃”を匂わせてくれるのは嬉しい。

Rick Ross – Big Tyme feat. Swizz Beatz


ビデオ公開日2019年7月30日
収録タイトルPort of Miami 2 [2019年8月9日リリース予定]
元ネタ

Florida州Carol Cityのラッパー、Rick Rossの新作ミュージックビデオ。本曲でもSwizz Beatzが参加しているが、冒頭の喋りと所々聴こえる合いの手を担当しているのみで、ビートを手掛けているのはJust Blaze。ストリングスをサンプリングした激情系ビートは、主役のボス然とした語り口により説得力を感じさせる。

「Port of Miami 2」リリース予定日参照:
https://www.billboard.com/articles/columns/hip-hop/8520220/rick-ross-port-of-miami-2-release-date

MC Eiht – How U Do That feat. The Chill


ビデオ公開日2019年7月26日
収録タイトルOfficial [リリース予定日不明]
元ネタ

California州Comptonのラッパー、MC Eihtの新作ミュージックビデオ。2017年にリリースされたアルバム「Which Way Iz West」の流れを汲んだようなサウンドで、ユルさはありつつもハードなドラムスと燻し銀なラップが痛快。ベテランOGらしい貫禄が漂う、大人な西海岸HipHopだ。

BJ The Chicago Kid – Time Today


ビデオ公開日2019年7月30日
収録タイトル1123 [2019年7月26日リリース]
元ネタ

Illinois州Chicagoのシンガー、BJ The Chicago Kidの新作ミュージックビデオ。本曲は、「週刊新譜る10(2019/5/29~6/5)」に選出した”Worryin’ Bout Me feat. Offset”と同じく新作アルバム「1123」に収録されており、ひとつひとつの言葉を噛み締めて吐き出すような丁寧な歌声が印象的。メジャー勢を多数手掛けるAndre Harris、Jairus ‘J-Mo’ Mozeeが楽曲を手掛け、ブルージーで都会的なサウンドが堪能出来る。

Davido, Chris Brown – Blow My Mind


ビデオ公開日2019年7月30日
収録タイトル
元ネタ

Georgia州Atlantaで生まれ、その後ナイジェリアで育ったシンガーDavidoと、Chris Brownによる新作ミュージックビデオ。Davidoの出世曲である”Dami Duro[2011年]”を手掛けたナイジェリアのプロデューサーShizziが本曲でも起用されており、Chris Brownの方が余所行きモード。「週刊新譜る10(2019/7/17~7/24)」に選出したMahaliaといい、アフリカ勢によるアフロポップ/アフロフュージョン系のサウンドがUS HipHop/R&Bシーンにじわじわと進出している気配が感じられる。

Trae Tha Truth – Slidin


ビデオ公開日2019年7月30日
収録タイトルExhale [2019年8月23日リリース予定]
元ネタ

Texas州Houstonのラッパー、Trae Tha Truthの新曲ビデオ。 Los AngelesのプロデューサーZay Coronadoが手掛ける現行西海岸らしいビートはTraeには珍しいサウンドで、新境地を感じさせる曲。スピード感あるビートを重くダークな語り口で切り進み、ピリピリとした緊張感を漂わせる。派手さはないが、この不穏な空気は癖になる。

Nino Man – Tropical Fantasy


ビデオ公開日2019年7月27日
収録タイトルJuu Heard [2019年7月26日リリース]
元ネタ

New YorkはHarlemのラッパー、Nino Manの新作ミュージックビデオ。The Lox/D-Block近辺のラッパーなだけあり本曲もそちら系のサウンドで、安定感あるフロウを聴かせる。曲・ビデオ共に独特なセンスが光る良曲。

Raheem DeVaughn – Just Right


ビデオ公開日2019年7月29日
収録タイトルThe Love Reunion [2019年6月28日リリース]
元ネタ

Washington D.C.を拠点に活動するシンガー、Raheem DeVaughnの新作ミュージックビデオ。しっとりとしたファルセットが心地良い世界に誘う。気だるさギリギリの溶けるようなサウンドは、夏の疲れを忘れさせてくれるよう。

Lizzo – Tempo feat. Missy Elliott


ビデオ公開日2019年7月26日
収録タイトルCuz I Love You [2019年4月19日リリース]
元ネタ

Michigan州Detroit出身のシンガー/ラッパー、Lizzoの新作ミュージックビデオ。Atlantic Recordsとの契約後1作目のアルバム「Cuz I Love You」は、先週全米アルバムチャートBillbord 200にて6位を獲得するも、そのキャッチーなサウンドのせいか日本のコアなリスナー層の間ではそれ程話題になっていないようだ。それでも同作中Missy Elliottを客演に招いた本曲はチェックしておいてもいいだろう。やや控えめなラップを聴かせる主役から、Missyの登場で空気が一変する流れに痺れる。

「Cuz I Love You」 Billboard 200での順位参照:
https://www.billboard.com/charts/billboard-200/2019-07-27

24Hrs – Back Out feat. Ty Dolla $ign & Dom Kennedy


ビデオ公開日2019年7月24日
収録タイトル
元ネタ

Georgia州Atlantaのラッパー、24Hrsの新作ミュージックビデオ。California州Los AngelesからTy Dolla $ignとDom Kennedyを客演に招いた曲。三者とも程よく脱力し、手馴れたフロウを聴かせる。ビートを手掛けているのはFlorida州MiamiのプロデューサーSmash Davidで、シンプルながらも中毒性の高いサウンドが楽しめる。

週刊新譜る10 [2019年7月24日~31日分] まとめ

今週は、比較的キャッチーでメジャー感のある楽曲を多めに選出した。特にSwizz Beatzが手掛けた”Snoop Dogg – Countdown”は、その斬新なビートに驚かされつつ、G-Funk黄金期のSnoopも感じられる嬉しい一曲だった。
また、”BJ The Chicago Kid – Time Today” ”Davido, Chris Brown – Blow My Mind”などの歌モノも、HipHopのビートをそのまま使ったタイプのそれとは異なり、独特な味わいがあった。

皆さんも気になった曲はあっただろうか?是非新譜のチェックに活用していただきたい。