「Curren$y & LNDN DRGS – PayBack」他、週刊新譜る10(2019/5/29~6/5)

「Curren$y & LNDN DRGS – PayBack」他、週刊新譜る10(2019/5/29~6/5)
 

週刊新譜る10 [2019年5月29日~6月5日分]

直近7日間でリリースされたアメリカのHipHop/R&Bの新譜や新作ミュージックビデオの中から、”これだけは抑えておきたい10曲”を厳選して紹介している当サイトのメインコーナー。今回は2019年5月29日から6月5日の間にリリースされたものから選出。

Curren$y & LNDN DRGS – PayBack


ビデオ公開日2019年5月31日
収録タイトルUmbrella Symphony [2019年5月10日リリース]
元ネタ“The Stylistics – Payback Is a Dog [1973年]”

California州ComptonのラッパーJay Worthyとカナダ出身のプロデューサーSean Houseからなるデュオ=LNDN DRGSと、Louisiana州New OrleansのラッパーCurren$yによる新作ミュージックビデオ。本曲はこの三名がタッグを組んだアルバム「Umbrella Symphony」に収録されているもので、”The Stylistics – Payback Is a Dog”を使ったユルユルなサウンドがたまらない。ラッパー両者のだらけきった語り口も、より一層聴き手を脱力させる。



Smif N Wessun – Ocean Drive feat. Musiq SoulChild


ビデオ公開日2019年5月30日
収録タイトルThe All [2019年2月22日リリース]
元ネタ

New YorkはBrooklynのラッパーTekとSteeleからなるベテランデュオSmif N Wessunの新作ミュージックビデオ。Khrysis(Little BrotherからRapsody、Mac Millerなどを手掛けるプロデューサー。尚本曲ではRapsodyも参加しているが、ビデオでは彼女のパートは省略されている。)が手掛ける西寄りでスムースなビートに合わせ、ベテランらしく落ち着いたフロウを聴かせる。脇役に徹したMusiq SoulChildのコーラスも涼しげで、タイトル通りリゾートらしさが感じられる曲。



Tink – Different


ビデオ公開日2019年6月1日
収録タイトルVoicemails [2019年4月28日リリース]
元ネタ

Illinois州Chicagoの女性ラッパー、Tinkの新作ミュージックビデオ。キュートな声で繰り出す、メロディアスで優しげなラップが印象的。ブルージーなビートと相まって、ユルく心地良い世界へ誘う。



Queen Naija – Away From You


ビデオ公開日2019年5月30日
収録タイトル
元ネタ

Michigan州Detroit出身のシンガー、Queen Naijaの新曲ビデオ。アリアナグランデを夜風に晒したような歌声は、独特な落ち着きと伸びやかさがあり味わい深い。西海岸風のパシャパシャしたビートを下地に、Trapの細かなグルーブとR&Bらしい上モノを加えたサウンドも新鮮。本曲を手掛けているのは、R.KellyやK.Michelleらのプロデュースでも知られるLil Ronnieということで、納得の完成度。


Queen Naija出身地参照:
https://www.vibe.com/2018/09/queen-naija-announces-fall-tour-dates



Styles P – Push the Line feat. Whispers & Sheek Louch


ビデオ公開日2019年6月2日
収録タイトルS.P. The GOAT: Ghost of All Time [2019年5月3日リリース]
元ネタ

New York州Yonkersのラッパー、Styles Pの新作ミュージックビデオ。共にラップグループThe LoxのメンバーでもあるSheek Louchに加え、BronxのラッパーWhispersを客演に招いた曲。切なげなエレピが印象的なシンプルなビート上で、三者それぞれが渋く正統派なラップを聴かせる。



Renni Rucci – Elevators


ビデオ公開日2019年5月31日
収録タイトルBig Renni [2019年5月24日リリース]
元ネタ

South Carolina州Irmo出身の女性ラッパー、Renni Rucciの新作ミュージックビデオ。出だしから”~シーンの大きな変化を感じた1年を振り返る~ Playlist:「The Best of 2018」“に選出した”Red Cafe – She A Bad One (Bad B**** Alert) feat. Cardi B”からフックの一節を引用し、キレキレなラップを披露。ここのところ活発な動きを見せている彼女、一気に飛躍しそうな勢いも感じさせる。



Joe Moses & RJmrLA – Stop It


ビデオ公開日2019年5月30日
収録タイトル
元ネタ

California州Los Angeles出身のラッパーJoe MosesとRJmrLAによる新作ミュージックビデオ。本曲はDJ Mustardプロデュースということで、聴かずともそのサウンドは予想がつくが、いつも以上に軽めでスカスカなビートは中毒性が高い。ザクザク切り進む両者のラップにも痺れる。



Tory Lanez – Broke Leg feat. Quavo & Tyga


ビデオ公開日2019年5月31日
収録タイトルLoVE me NOw (ReLoAdeD) [2018年10月26日リリース]
元ネタ

カナダ出身のシンガー、Tory Lanezの新作ミュージックビデオ。”週刊新譜る10(2019/5/15~22)“で、「 Trapをアップデートしたサウンドとして今後この手(ニューオリンズ的なバウンス)の楽曲が増える可能性もありそうだ。」と書いたが、本曲もその辺りに通じるサウンドだ。AtlantaからMigosのQuavoを、ComptonからTygaを招き、全くタイプの異なる三者によるマイクリレーが楽しい。



Gucci Mane – Love Thru The Computer 
feat. Justin Bieber


ビデオ公開日2019年5月30日
収録タイトル
元ネタ“Zapp – Computer Love [1985年]”

Georgia州Atlantaのラッパー、Gucci Maneの新作ミュージックビデオ。ビートを手掛けるのは、”Cardi B – Bodak Yellow”のプロデュースで知られるJ. White Did Itで、Zappのあの曲をサンプリング。内容も元ネタを意識したニクい曲ではあるが、大ネタを無理やりTrapの枠にはめ込んだサウンドは好みが分かれるか。Justinの起用も何だか散漫な印象を受け、やはりこの手のネタ使いは西海岸勢に軍配が上がる・・が、飛び道具的な面白さは十分にアリ。



BJ The Chicago Kid – Worryin’ Bout Me feat. Offset


ビデオ公開日2019年5月30日
収録タイトル
元ネタ

Illinois州Chicago出身のシンガー、BJ The Chicago Kidの新曲ビデオ。全体的にイナタく哀愁漂うサウンドでありながらも、熱量のある主役の歌声は痛快。畳み掛けるようなプレコーラスから一気に視界が開けるコーラス部分への展開が素晴らしい。客演に招かれたMigosのOffsetもどこか余所行きモードなラップを聴かせ、絶妙な存在感を放っている。



週刊新譜る10 [2019年5月29日~6月5日分] まとめ

今週も、先週に続いて比較的スムースな楽曲を中心に選出した。中でもCurren$yとLNDN DRGSの共演曲”PayBack”は、ミュージックビデオの通りプールサイドで聴きたくなるような南国ムードすら漂うサウンドで、完全に夏向けだろう。筆者はこの曲と”Smif N Wessun – Ocean Drive”を、今夏頻繁に聴くことになりそうだ。

皆さんも気になった曲はあっただろうか?是非新譜のチェックに活用していただきたい。