「Gucci Mane – Big Booty」他、週刊新譜る10(2019/10/9~10/16)

「Gucci Mane – Big Booty」他、週刊新譜る10(2019/10/9~10/16)
 

週刊新譜る10 [2019年10月9日~16日分]

直近7日間にリリースされたアメリカのHipHop/R&Bの新譜や新作ミュージックビデオの中から、”これだけは抑えておきたい10曲”を厳選して紹介している当サイトのメインコーナー。今回は2019年10月9日から16日の間にリリースされたものから選出。

Gucci Mane – Big Booty feat. Megan Thee Stallion


ビデオ公開日2019年10月9日
収録タイトルWoptober II [2019年10月17日リリース]
元ネタ“2 Live Crew – Hoochie Mama [1995年]” (”Jimmy Smith – Burning Spear [1968年]”)

Georgia州Atlantaのラッパー、Gucci Maneの新作ミュージックビデオ。Texas州Houstonから今最も勢いのある女性ラッパー、Megan Thee Stallionを客演に招いた曲。ビートを手掛けたのは、“Cardi B – Bodak Yellow”のプロデュースで知られるJ. White Did It。元ネタが2Live Crewなだけあり、あのお下劣さを継承しキャッチーに仕上がっている。ダラリとした主役の語り口もビートの怪しさと相まって強烈だが、Meganのキレキレなフロウと緩急のある展開が絶品。適当なのか計算されているのか分からないヴァースやフックの構成・小節数も面白い。

Moneybagg Yo & Megan Thee Stallion – All Dat


ビデオ公開日2019年10月10日
収録タイトル
元ネタ “Project Pat – Ooh Nuthin [2001年]”

そのMegan Thee Stallionと、Tennessee州MemphisのラッパーMoneybagg Yoが共演した新作ミュージックビデオ。“Project Pat – Ooh Nuthin”を全開に加速させたビートはDenaro Loveによるもので、元ネタからプロデューサーまで完全にMemphis一色。となれば本来アウェーなはずのMeganだが、そんなことはお構い無しに切れ味抜群のラップを聴かせる。

Hit-Boy – No L’s feat. Saweetie


ビデオ公開日2019年10月9日
収録タイトル
元ネタ

California州Fontanaのプロデューサー/ラッパー、Hit-Boyの新作ミュージックビデオ。曲中彼自身はラップせず、同州Hayward出身の女性ラッパーSaweetieがラップ・コーラスを務める。細く一歩引いたように繰り出される彼女のラップは不穏なビートと相性抜群で、ズルズルとその世界へ引き込まれる、前述のMegan Thee Stallionのような押しが強いタイプとは違った魅力が感じられる。

BJ The Chicago Kid – Time Today (Remix) feat. Ari Lennox


ビデオ公開日2019年10月9日
収録タイトル
元ネタ

Illinois州Chicagoのシンガー、BJ The Chicago Kidのリミックス曲。新作アルバム「1123 (2019年7月リリース)」に収録された“Time Today”に、Washington,D.CからAri Lennoxを招いたバージョンだ。原曲がもつブルージーさを一層強めるAri Lennoxの歌声が素晴らしく、今年デビューしたフレッシュな存在であることからも、彼女の起用はこの上無い人選と言える。

K. Michelle – SUPAHOOD feat. City Girls & Kash Doll


ビデオ公開日2019年10月15日
収録タイトル
元ネタ

Tennessee州Memphis出身のシンガー、K. Michelleの新作ミュージックビデオ。Florida州MiamiのデュオCity GirlsからYung Miami(相方のJTはオツトメ中)と、Michigan州DetroitからKash Dollを招いた曲。本来コッテリがっつり歌えるタイプの主役だが今回はその辺りは抑え目で、それ故たまに出る伸びやかな歌声が妙に癖になる。客演陣の存在も違和感がなく、まるで三姉妹のような不思議なまとまり具合も印象的。

Troy Ave – So True


ビデオ公開日2019年10月16日
収録タイトル
元ネタ

New YorkはBrooklynのラッパー、Troy Aveの新作ミュージックビデオ。一時期よりだいぶリリース量は落ち着いた彼だが、その分どっしりと構えるような大物感が出てきたように感じられる。哀愁を纏いどこかひんやりとしたサウンドの本曲は、秋~冬のプレイリストに加えても良さそうだ。

BEXEY & Jackboy – London To 1800


ビデオ公開日2019年10月11日
収録タイトル
元ネタ

UKはロンドンのラッパーBEXEYと、Florida州Pompano Beachのラッパーで、Kodak Blackのレーベル「Sniper Gang」に所属するJackboyによる新作ミュージックビデオ。とにかく東洋風なビートとJackboyのコーラスが強烈で、中毒性が高い。サクサク突き進む主役のフロウも爽快。

Jim Jones – State of the Union – feat. Rick Ross & Marc Scibilia


ビデオ公開日2019年10月11日
収録タイトル El Capo [2019年5月31日リリース]
元ネタ ”Black Savage – Kothbiro [1976年] ”

New YorkはHarlemのラッパー、Jim Jonesの新作ミュージックビデオ。Florida州Carol CityのRick Rossと、New York州Buffalo出身のシンガーMarc Scibiliaを客演に招いた曲。The Diplomats時代から共闘してきたプロデューサーチームThe Heatmakerzによるソウルフルなビートは、ベテランの風格漂うラッパー陣と相性抜群。Marc Scibiliaという意外な存在も良いアクセントになっている。

Pivot Gang – No Vest feat. Mick Jenkins


ビデオ公開日2019年10月10日
収録タイトルYou Can’t Sit With Us [2019年4月19日リリース]
元ネタ

Illinois州ChicagoのHipHopグループPivot Gangの新作ミュージックビデオ。同郷のラッパーMick Jenkinsを客演に招き、開始早々のヴァースは彼が務める。それ以外の登場人物(ビートのプロデューサー含む)は全て同グループのメンバーで、各々の個性を感じさせつつも散漫さは無く絶妙なチームワーク。派手さは無いシンプルなサウンドだが、この“抜けた”感じが癖になる。

RJMrLA – Bang My Line feat. O.T. Genasis


ビデオ公開日2019年10月15日
収録タイトル On God [2019年8月9日リリース]
元ネタ

California州Los AngelsはSouth Centralのラッパー、RJMrLAの新作ミュージックビデオ。同州Long BeachからO.T. Genasisを客演に招いた曲。メロディアスで軽めに聴かせる主役と、太くねちっこいラップを聴かせるO.T.Genasis。両者の異なるキャラクターが楽しめる。グッとタメを効かせたビートも良い。

週刊新譜る10 [2019年10月9日~16日分] まとめ

今週は女性ラッパー・シンガーが参加した曲を多めに選出した。中でもMegan Thee Stallionは現在のシーンで一際存在感を放っており、今回選出した”Gucci Mane – Big Booty”と”Moneybagg Yo – All Dat”からも彼女の勢いを感じてもらえるだろう。
また、筆者には”BEXEY & Jackboy – London To 1800”が非常にツボで、当分リピートすることになりそうだ。

皆さんも気になった曲はあっただろうか?是非新譜のチェックに活用していただきたい。


※次週の週刊新譜る10はお休みさせていただく予定です。ご自身で新曲のチェックをされる際は、「管理人が活用しているHipHop/R&Bサイトはどこ?」の記事も是非ご活用ください。