「Ras Kass – Can U Feel It」他、週刊新譜る10(2019/10/2~10/9)
- 2019.10.10
- 週刊新譜る10
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週刊新譜る10 [2019年10月2日~9日分]
直近7日間にリリースされたアメリカのHipHop/R&Bの新譜や新作ミュージックビデオの中から、”これだけは抑えておきたい10曲”を厳選して紹介している当サイトのメインコーナー。今回は2019年10月2日から9日の間にリリースされたものから選出。
- 1. Ras Kass – Can U Feel It feat. 4rAx
- 2. The Mekanix – Backdoe feat. Richie Rich & 4rAx
- 3. James Savage (Jayo Felony) – Test Me feat. RY
- 4. Philthy Rich – Stash House feat. Sage The Gemini
- 5. DryBoy. – Summer Nights feat. Clever
- 6. Fabolous – Choosy feat. Jeremih & Davido
- 7. Sheek Louch – Alone
- 8. Cassidy – Get To A Sell
- 9. Fat Joe, Cardi B, Anuel AA – YES
- 10. Diana Gordon – Becoming
- 11. 週刊新譜る10 [2019年10月2日~9日分] まとめ
Ras Kass – Can U Feel It feat. 4rAx
ビデオ公開日 | 2019年10月9日 |
収録タイトル | Soul on Ice 2 [2019年9月6日リリース] |
元ネタ | – |
California州Carsonのラッパー、Ras Kassの新作ミュージックビデオ。同州Oaklandから4 rAx(敏腕プロデューサーデュオ「The Mekanix」の片割れ)を客演に招いた曲。ビートを手掛けているのはNew York州Mount VernonのPete Rockということで、東西のベテランが手を組んだ洗練されたサウンドが楽しめる。
The Mekanix – Backdoe feat. Richie Rich & 4rAx
ビデオ公開日 | 2019年10月4日 |
収録タイトル | Donuts [2019年5月10日リリース] |
元ネタ | – |
前述のOaklandのプロデュースデュオThe Mekanixの新作ミュージックビデオ。 同郷のベテランで、“管理人が選ぶ「深夜の熱海サンビーチで聴きたいギャングスタラップ」5選“にも選出したRichie Richを招いた曲。音数が少ない不穏なビートにより、Richie Richのダークな語り口が栄える。現行ベイエリアシーンにおいてかなりの存在感を放っているThe Mekanix、彼らが手掛ける楽曲は本当にハズれが無い
James Savage (Jayo Felony) – Test Me feat. RY
ビデオ公開日 | 2019年10月8日 |
収録タイトル | James Savage [2019年8月13日リリース] |
元ネタ | – |
California州San Diegoのラッパー、Jayo Felonyの新作ミュージックビデオ。本人は出演してらず、曲自体もRYと言う女性シンガーのパートが大半を占めているが、彼女のスムースな歌声が素晴らしくこれはこれで十分な味わい(残念ながら彼女の詳細は分からず)。イントロからDr.Dreのアルバム「Compton(2015年)」が脳裏をよぎった方がいるかも知れないが、その勘は正しく、あのアルバム中 ”Genocide”など計4曲を手掛けたDem Jointzが本曲をプロデュースしている。リリースも現在Jayo Felonyが契約中のXzibitのレーベルOpen Bar entertainmentからで、“単なるローカルなギャングスタ曲”では済まされない完成度だ。
Philthy Rich – Stash House feat. Sage The Gemini
ビデオ公開日 | 2019年10月7日 |
収録タイトル | Big 59 [2019年9月27日リリース] |
元ネタ | – |
California州Oaklandのラッパー、Philthy
Richの新作ミュージックビデオ。同州Fairfieldのラッパー/シンガー、Sage The Geminiを客演に招いた曲。ベイエリアらしい音使いを下地に、スムースで心地良いサウンドに仕上がっている。主役も肩の力を抜いたフロウを聴かせ、その流れで登場するSage The Geminiのコーラスも爽快。
DryBoy. – Summer Nights feat. Clever
ビデオ公開日 | 2019年10月4日 |
収録タイトル | – |
元ネタ | – |
Illinois州Chicagoのシンガー、DryBoy.の新作ミュージックビデオ。Alabama州Gadsdenのラッパー/シンガー、Cleverを客演に招いた曲。名前に反して随分とウェットな鳴りだが、メロディアスなフロウと相まって何とも言えない哀愁が漂う。後半に登場するCleverの“格上感”もかなりのもので、HipHopがまた新たな流派へ枝分かれしていく動きが感じられる。
Tha Eastsidazとも共演済みの男Cleverを紹介:Clever ~バトルMCから大きな変貌を遂げたアーティスト~
Fabolous – Choosy feat. Jeremih & Davido
ビデオ公開日 | 2019年10月4日 |
収録タイトル | – |
元ネタ | – |
New YorkはBrooklynのラッパー、Fabolousの新作ミュージックビデオ。Illinois州Chicago出身のJeremihと、Atlanta生まれナイジェリア育ちのDavidoを客演に招いた曲。Chicagoの売れっ子プロデューサーHitmakaによる意表を突くようなAfro
Beatsサウンドが印象的。一人のラッパーが二人のシンガーを招く構成も珍しく、Fabolousのようなかつて一世を風靡した者が新しいスタイルを柔軟に取り入れる姿勢も素晴らしい。
Sheek Louch – Alone
ビデオ公開日 | 2019年10月4日 |
収録タイトル | Beast Mode, Vol. 3 [2019年5月17日リリース] |
元ネタ | – |
New York州Yonkersのラッパーで、ベテラングループThe
Loxの一員としても知られるSheek Louchの新作ミュージックビデオ。これまでの彼にはあまり無かったであろうメロディアスなフロウやフックを交え、新境地を感じさせる。とは言え、従来の正統派なNY流HipHopから反れる程の振り切ったキャッチーさでは無く、この辺りのバランスも絶妙だ。
Cassidy – Get To A Sell
ビデオ公開日 | 2019年10月5日 |
収録タイトル | Numbers [2019年7月7日リリース] |
元ネタ | – |
Pennsylvania州Philadelphiaのラッパー、Cassidyの新作ミュージックビデオ。彼も2000年代初頭に人気を博した存在。当時のラッパーらしくオートチューンもメロディアスなフロウも無く、キレキレなラップで現行仕様なTrap風ビートを乗りこなす痛快な曲。バトルラッパーの名手であり、現在も人気ラップバトル「Ultimate Rap League」に出場中で話題となっている。
Ultimate Rap League 公式チャンネル: https://www.youtube.com/user/theUrltv
Fat Joe, Cardi B, Anuel AA – YES
ビデオ公開日 | 2019年10月7日 |
収録タイトル | – |
元ネタ | “Willie Colón – Aguanile feat. Hector Lavoe [1972年]” |
New YorkはBronxのラッパーFat JoeとCardi B、プエルトリコ出身のラッパーAnuel AAによる新作ミュージックビデオ。太く安定感のあるラップのFat Joe、旬な勢いを感じさせるCardi B、スペイン語のフロウが強烈なAnuel AA、しっかりと現行サウンドにも適応したCool & Dreによるビート、それぞれのピースが凄まじい完成度で結集した曲。恐らくFat Joe主導と思われるが、Remy Maとの「Plata O Plomo(2017年)」からの流れを汲んだ良い動きを見せている。
Diana Gordon – Becoming
ビデオ公開日 | 2019年10月4日 |
収録タイトル | タイトル不明 [2020年リリース予定] |
元ネタ | – |
New YorkはQueens出身のシンガーソングライター、Diana Gordonの新作ミュージックビデオ。Mary J. Blige 、J-Lo、Beyoncéらのソングライティングを手掛けてきた彼女だけにその実力はお墨付き。ありがちなTrapビートを使ったR&Bかと思いきや、そのメロや計算された展開、歌声からは特出したセンスを感じる。
週刊新譜る10 [2019年10月2日~9日分] まとめ
今週は東西のベテランラッパー達を中心に選出。どのベテランも流行は意識しつつもそれに流され過ぎないスタンスが感じられ、また一聴して誰と分かるような声やフロウを持っている点が印象的だった。こういったオリジナリティを重視する意識(無意識かも知れないが)は、現行シーンの若手よりも彼らの方が遥かに強く持っているように思える。
筆者が今回特に気になった曲は、”Ras Kass – Can U Feel It feat. 4rAx”と”Jayo Felony – Test Me feat. RY”。西海岸レジェンド達によるここ最近の新作アルバムはどれも当たり続きで、嬉しい時期と言える。
皆さんも気になった曲はあっただろうか?是非新譜のチェックに活用していただきたい。
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