「Phony Ppl – Fkn Around」他、週刊新譜る10(2020/2/12~2/19)

「Phony Ppl – Fkn Around」他、週刊新譜る10(2020/2/12~2/19)
 

週刊新譜る10 [2020年2月12日~19日分]

7日間ごとにアメリカのHipHop/R&Bの新譜・新作ミュージックビデオの中から”これだけは抑えておきたい10曲”を厳選し、ランキング形式で紹介している当サイトのメインコーナー。 今回は2020年2月12日から19日の間にリリースされたもので、Simple10がチェックした主要なリリース74曲の中から選出。

10位 Sauce Walka – Where Was You At


ビデオ公開日2020年2月13日
収録タイトルSauce Ghetto Gospel 2 [2019年12月6日リリース]
元ネタ

Texas州Houstonのラッパーで、~シーンの大きな変化を感じた1年を振り返る~ Playlist:「The Best of 2018」にも選出したSauce Walkaの新作ミュージックビデオ。チャーチオルガンが鳴るブルージーなサウンドは、如何にもこの地のHipHopという印象だ。泥臭いラップによりイナタさも十分で味わい深い。

9位 Camila Cabello – My Oh My feat. DaBaby


ビデオ公開日2020年2月12日
収録タイトルRomance [2019年12月6日リリース]
元ネタ

キューバ出身で、ガールズグループFifth Harmonyのメンバーだったことでも知られるCamila Cabelloの新作ミュージックビデオ。North Carolina州Charlotteのラッパー、DaBabyを客演に招いた曲。キューバンミュージック風味が漂うサウンドと、ねちっこい歌声から感情が爆発するCamilaの表現力/振れ幅が痛快。当サイト的にはこちらが主役とも言えるDaBabyは「彼女の母親に信用されないチャラ男役」を演じ、日本でのCamilaのファン層を思うとそこそこ危ういラインも飛び出す。しかし相手がCamilaとなれば、フロウは全体的に余所行きモード。この内容でこの両者のコラボは面白い。

8位 Juelz Santana – 23 & 1


ビデオ公開日2020年2月18日
収録タイトル
元ネタ

New York市Harlemのラッパーで、同地のグループThe Diplomatsのメンバーとしても知られるJuelz Santanaの新曲。Scram Jonesが手掛ける切ないビートは、主役のデビュー作を思い起こさせる。2018年に拳銃等の所持と発覚時の逃亡により、27ヶ月の刑が確定し2019年3月からお努め中のJuelz。よって本曲はムショ入り前に録られたものと思われるが、獄中の彼に向けたMeek Millによるメッセージも収録されている。今年夏には保釈されるとの情報もあるが、それに先駆け新作Mixtapeも準備中のよう。本格的な復帰を待ちたい。

7位 Wiz Khalifa – Smokin’ Section 


ビデオ公開日2020年2月15日
収録タイトル
元ネタ“Common – The 6th Sense feat. Bilal [2000年]”

Pennsylvania州 Pittsburghのラッパー、Wiz Khalifaの新作ミュージックビデオ。DJ Premierが手掛けたCommonのヒット曲“The 6th Sense”をほぼまんま使いしたビート、となれば悪いはずが無く。サラっと聴き終えてしまうWiz Khalifaらしい軽めのフロウが爽快。

6位 DreamDoll – Who You Loving? feat. G-Eazy & Rahky


ビデオ公開日2020年2月13日
収録タイトル
元ネタ“LL Cool J – Loungin feat. Total [1996年]”(“ Bernard Wright – Who Do You Love [1985年]”)

New York市Bronxの女性ラッパー、DreamDollの新作ミュージックビデオ。California州OaklandのG-Eazyと、恐らくNew Jersey出身のシンガーRahkyを客演に招いた曲。 前々回ピックアップした“Badd Tattoo – Who Do You Love”と同様、“LL Cool J – Loungin feat. Total”をカバーしているのが何より印象的。(この“Loungin”の元ネタは“Bernard Wright – Who Do You Love”だが、本曲でRahkyが歌うメロは“Loungin”オリジナルの部分も含まれているためそちらが元ネタであると判断。)G-Eazyの手慣れたフロウは別各だが、主役のNY勢らしいフロウ、チョイ役ながら伸びのある歌声で存在感を放つRahkyと、それぞれが個性を放つ。

5位 Mýa – The Truth


ビデオ公開日2020年2月14日
収録タイトルLove Elevation Suite [2015年2月14日リリース]
元ネタ

Washington, D.C.のシンガー、Mýaの新作ミュージックビデオ。自身のレーベル「Planet 9」からマイペースな活動を続けている彼女だが、本曲は2015年にリリースされたEPに収録されていたもの。つまり5年前の曲だが、その間にブームとなったサウンドとはかけ離れているせいか不思議と古臭さは無い。都会的なサウンドと、優しく上品な歌声は何とも心地が良い。

4位 dvsn – A Muse


ビデオ公開日2020年2月14日
収録タイトル
元ネタ” Lonnie Liston Smith – A Garden of Peace [1983年] ”

カナダ出身のR&Bデュオ、dvsnの新作ミュージックビデオ。“Jay-Z – Dead Presidents”でお馴染みの元ネタ“Lonnie Liston Smith – A Garden of Peace”をユルくサンプリングしたビート上で、ヴォーカル担当のDaniel Daleyがしっとりとした歌声を聴かせる。時折繰り出す静かなファルセットは絶品だ。

3位 Lil Duval, Jacquees & Tank – Nasty


ビデオ公開日2020年2月13日
収録タイトル
元ネタ

Florida州Jacksonville出身の歌える人気コメディアンLil Duval、Georgia州DecaturのJacquees、Washington, D.C.のベテランTankのコラボ曲。露骨な描写をちりばめた曲名通りのNastyな内容だが、甘いサウンドと相まって下品さは無い。この実力派三者であれば安定感も期待通りと言えよう。JacqueesのヴァースではJacqueesがコーラスを、DuvalのヴァースではDuvalがコーラスを歌い、それぞれのサビを堪能出来る点も良い。

2位 D Smoke – Black Habits I feat. Jackie Gouché


ビデオ公開日2020年2月13日
収録タイトルBlack Habits [2020年2月7日リリース]
元ネタ

California州Inglewood,のラッパー、D Smokeの新作ミュージックビデオ。2月7日にリリースされたアルバム「Black Habits」のタイトル曲で、シンガーでもある彼の母親Jackie Gouchéを客演に招いたもの。Prince、Jimi Hendrick、Stevie Wonder、2Pacの曲を引用したり、ひたすら身の回りの黒いものを挙げながら黒人の地位、自身の野心と信念を綴ったリリックは、一言では表現出来ない奥深さがある。かつての奴隷時代を思わせるビデオもより説得力を感じさせる。

1位 Phony Ppl – Fkn Around feat. Megan Thee Stallion


ビデオ公開日2020年2月13日
収録タイトル
元ネタ

New York市Brooklynの男性R&Bグループ、Phony Pplの新作ミュージックビデオ。どこか懐かしいファンクサウンドと、それに乗るスムースな歌声がたまらない。“R&B版The Roots”とでも言えば分かりやすいだろうか、彼らは楽器担当を含むグループであり、音楽的な素養の高さを思えばこういったサウンドをさらっとやってのけるのも納得。リリックは“火遊び“を止めない女性を描いた内容で、Texas州Pearlandの女性ラッパーMegan Thee Stallionがその役を務める。「イタリア、テキサス、西海岸に男をキープしている」という遊びっぷり自慢も、彼女が言うとやけに現実味がある。

週刊新譜る10 [2020年2月12日~19日分] まとめ

今週Simple10がチェックした主要なリリースは74曲。Camila CabelloやMýaなどいつもよりキャッチーな曲やアーティスト、歌モノを多めに選出した。そんな中でもMegan Thee Stallionを招いた Phony Ppl ”Fkn Around”は、サウンドだけでなくリリックの内容も斬新で興味深い一曲だった。

皆さんも気になった曲はあっただろうか?是非新譜のチェックに活用していただきたい。