「Kehlani – Nunya」他、週刊新譜る10(2019/2/13~20)

「Kehlani – Nunya」他、週刊新譜る10(2019/2/13~20)
 

週刊新譜る10 [2019年2月13日~20日分]

直近7日間でリリースされたアメリカのHipHop/R&Bの新譜や新作ミュージックビデオの中から、”これだけは抑えておきたい10曲”を厳選して紹介している当サイトのメインコーナー。今回は2019年2月13日から20日の間にリリースされたものから選出。

Kehlani – Nunya feat. Dom Kennedy


ビデオ公開日2019年2月20日
収録タイトルWhile We Wait (2月22日リリース予定)
元ネタ

California州Oaklandのシンガー、Kehlaniの新作ミュージックビデオ。 Fontana出身のプロデューサーHit-Boyが手掛ける浮遊感あるビート上で、ふんわりとした優しい歌声が映える。客演として招かれたDom Kennedyの存在も良いアクセントに。Hit-BoyとDom Kennedyは過去にコラボ作をリリースしている盟友なだけあり、Kehlani仕様であっても自然とまとまりのある楽曲に。


Dom Kennedy x Hit-Boyの曲も選出: ~HipHop/R&Bが最も人気のジャンルとなった1年を振り返る~ Playlist:「The Best of 2017」



Big Tray Deee x Coniyac x DW Flame x ESCrow x Red G’zus – UKnowDaName


ビデオ公開日2019年2月15日
収録タイトルBig Tray Deee Presents the Certified Project
元ネタ

California州Long Beachのベテランラッパーで、Snoop Doog率いるラップグループTha Eastsidazのメンバーだったことでも知られるBig Tray Deeeの新作ミュージックビデオ。彼周辺のラッパー達と共に、チープで埃っぽさのある生々しいサウンドを聴かせる。メジャー勢にはない、ローカルなギャングスタラップの存在も絶対にチェックしておきたい。



G Perico – Love Letter
feat. Polyester The Saint


ビデオ公開日2019年2月15日
収録タイトル
元ネタ

California州Los Angelesのラッパー、G Pericoの新作ミュージックビデオ。DJ Quikかと思う程のスムースなサウンドは西海岸HipHopファン歓喜の一曲。手掛けるのは既に”Amerikkka”などで好相性を聴かせてきたDupri(恐らくLAのプロダクションチーム”League Of Starz”に所属する人物で、Jermaine Dupriとは別人 )で、文句無しのG-Funkだ。



Boogie – Rainy Days feat. Eminem


ビデオ公開日2019年2月20日
収録タイトルEverythings for Sale
元ネタ

California州Comptonのラッパーで、現在Eminemのレーベル「Shady Records」に所属するBoogieの新作ミュージックビデオ。曲中ではEminemの存在感があまりにも強すぎるが、主役のダラりとした語り口と上手く棲み分けがされているようにも感じられる。Boogieのキャラクター性については「週刊新譜る10(2019/1/24~30)」で”Soho”という楽曲を取り上げた際にも”Kendrick lamarが脳裏をよぎる”と書いたが、本曲ビデオの最後には「Aftermath Records」とのクレジットが。やはり仕掛け人はDreか。



Saweetie – Mood


音源公開日2019年2月15日
収録タイトル
元ネタ

California州のベイエリア出身(ベイの中での詳細な出身地は諸説あったため、ここではXXL誌のインタビューを参照し上記の表記に留めています。)のラッパー、Saweetieの新曲。派手さは無いものの、彼女らしいスムースなフロウが病み付きになる。手掛けているのは、彼女の旧知の仲でもあるアトランタのTrapシーンを代表するプロデューサーZaytoven。彼もかつてはベイエリアに住んでおり、JT the Bigga Figgaらベイのラッパー達に見出されキャリアをスタートさせた人物。本曲は、Trapのイメージが強いZaytovenによる、ベイエリアらしいサウンドが聴ける点もポイントだ。


Saweetieの出身地参照: http://www.xxlmag.com/news/2017/12/saweetie-interview-the-break/



AzChike – Strapped Up feat. Mike Sherm & GBO Lean


ビデオ公開日2019年2月15日
収録タイトル
元ネタ

Los Angelesのラッパー、AzChikeの新作ミュージックビデオ。あまりにも音数の少ないビート上で、三者三様のマイクリレーが繰り広げられる圧巻の曲。尚主役に関しては、Atlantic RecordsとAsylum Records(Ugly Godらが所属するレーベル)との契約が発表されたばかり。今後の動きに注目したい。




Young Buck – Its Alright


ビデオ公開日2019年2月19日
収録タイトルBox of Chocolates
元ネタ

Tennessees州Nashvilleのラッパー、Young Buckの新作ミュージックビデオ。これまでダークでハードな楽曲が多かった彼だが、珍しくしっとりとしたサウンドを聴かせる。また、ベテランらしい風格は語り口だけではなく、著名なラッパーが多数登場するビデオからも感じることが出来る。



DJ Kay Slay – Hip Hop Frontline feat. Melle Mel, Raekwon, CeeLo Green & Grandmaster Caz


ビデオ公開日2019年2月18日
収録タイトルHip Hop Frontline
元ネタ

New YorkのベテランDJ、DJ Kay Slayの新作ミュージックビデオ。毎回豪華なアーティストを招く彼だが、本曲で特筆すべきは、70年代のHipHop創成期を支えたMelle MelとGrandmaster Cazの存在(若年層の中では2012年に公開されたドキュメンタリー映画「The Art of Rap」で彼らを知った人もいるだろう。)。今年58歳を迎えるレジェンド達の新たなヴァースが聴けるのは何とも感慨深い。更にプロデュースはOaklandの重鎮E-A-Skiと、とんでもないメンツが揃っている。



Mýa – With You feat.
MyGuyMars


ビデオ公開日2019年2月14日
収録タイトルT.K.O.
元ネタ

Washington, D.C.のシンガー、Mýaの新作ミュージックビデオ。プロデューサーとしてはグラミー賞にノミネートされた経歴もあるMyGuyMarsを客演に招き、甘くしっとりとしたサウンドが心地良い曲。時よりTrapに寄せたフロウを取り入れつつも、主役の持ち味である透き通った歌声が堪能出来る。



Nathaniel – Whine On Me


ビデオ公開日2019年2月14日
収録タイトル
元ネタEugene Wilde – Gotta Get You Home Tonight

New YorkはBrooklynの若手シンガー、Nathanielの新作ミュージックビデオ。同郷のFoxy Brownもかつて使った「Eugene Wilde – Gotta Get You Home Tonight(1984年)」の上ネタも印象的だが、さわやかな主役の歌声も爽快。ビデオのようなリゾートさはサウンドからも感じられ、手掛けるJahlil Beatsの手腕もお見事。



週刊新譜る10 [2019年2月13日~20日分] まとめ

今週は、西海岸のアーティストに良曲が多く、その辺りを多めに選出した。近年のTrapブーム辺りからHipHopを聴き始めた方には西海岸産HipHopはあまり馴染みが無いかも知れないが、LA周辺やベイエリア等はシーンの層も厚く、その土地特有のサウンドも感じられる地域。「Kehlani – Nunya feat. Dom Kennedy」のようなメジャー向きな曲から、「G Perico – Love Letter feat. Polyester The Saint」のような伝統的なサウンドまで見逃せない。

皆さんも気になった曲はあっただろうか?是非新譜のチェックに活用していただきたい。