「Bloody Jay – Thug My Way」他、週刊新譜る10(2019/8/7~8/14)

「Bloody Jay – Thug My Way」他、週刊新譜る10(2019/8/7~8/14)
 

週刊新譜る10 [2019年8月7日~14日分]

直近7日間にリリースされたアメリカのHipHop/R&Bの新譜や新作ミュージックビデオの中から、”これだけは抑えておきたい10曲”を厳選して紹介している当サイトのメインコーナー。今回は2019年8月7日から14日の間にリリースされたものから選出。

Bloody Jay – Thug My Way feat. Boosie Badazz


ビデオ公開日2019年8月7日
収録タイトルReal Forever [2019年2月15日リリース]
元ネタ

Georgia州Atlantaのラッパー、Bloody Jayの新作ミュージックビデオ。Louisiana州Baton Rouge出身のBoosie Badazzを客演に招いた曲。主役のねちっこいバースから中毒性の高いコーラスへの流れも良いが、空気を一変させるキレキレなBoosieに痺れる。プールで水着ギャル満載なビデオもこの時期らしくて良い。

Ashanti – Pretty Little Thing feat. Afro B


ビデオ公開日2019年8月9日
収録タイトル
元ネタ

New York州Glen Cove出身で、かつて一世を風靡したシンガーAshantiの新曲ビデオ。現在UKのアパレルブランド「PrettyLittleThing」にて彼女の水着コレクションがリリースされており、そのキャンペーンの一環として作られた曲。UKはロンドンのAfro Pop/DancehallアーティストAfro Bを客演に招き、従来の彼女には無かったカリブ海(もしくはアフリカ?)寄りのサウンドを聴かせる。古巣The Inc.を去り自身のレーベルWritten Entertainmentを立ち上げて以来楽曲の幅も広がり、伸び伸びと活動している様子が歌声からも感じられる。

「PrettyLittleThing」 公式サイト:
https://www.prettylittlething.com/

King Kyle Lee – 1k feat. Paul Wall & Liveola


ビデオ公開日2019年8月7日
収録タイトル The Livest Summer [2019年7月4日リリース]
元ネタ

Texas州San Antonioのラッパー、King Kyle Leeの新作ミュージックビデオ。地元の盟友で、昨年18年間の”お務め”の半分を経過したところで仮釈放となったLiveolaと、同州HoustonのラッパーPaul Wallを招いた曲。一瞬でそれと分かるご当地感あるサウンドが素晴らしく、主役もZ-Roかと思うほどのコーラスを聴かせる。ビデオではLil FliPの姿も確認出来、Houston近辺の連帯感はやはり面白い。

Mary J. Blige – Know


ビデオ公開日2019年8月8日
収録タイトル
元ネタ

New YorkはBronx出身のベテランシンガー、Mary J. Bligeの新曲ビデオ。女性たちへ向けたポジティブなメッセージを、決して説教臭くはならない絶妙な温度感で歌い上げる。ビートを手掛けているのは、Kendrick Lamarらも所属するレーベル「TDE(Top Dawg Entertainment)」のお抱えプロデューサーSounwaveで、”Queen of Hip Hop Soul”と呼ばれた彼女らしいサウンドに仕上がっている。

Skyzoo & Pete Rock – It’s All Good


ビデオ公開日2019年8月11日
収録タイトルRetropolitan [2019年9月20日リリース予定]
元ネタ

New YorkはBrooklynのラッパーSkyzooと、同市Bronx出身のPete Rockの共演曲。本曲は両者のコラボアルバム「Retropolitan」に収録される予定で、90年代の東海岸サウンドを彷彿とさせる・・のもそのはず、このビートは「Illmatic」と同時期にPete Rockが制作したものだそう。現代でも十分通じるタイムカプセルを開けたようなビート・正統派な東海岸サウンドを貫くMCらしく黄金期のビートをきっちり乗りこなすSkyzoo。時代に左右されない両者の存在感には、感慨すら覚える。

ビート制作時期参照:
https://mmg-skyzoo.bandcamp.com/album/retropolitan

Ty Dolla $in – Hottest In The City feat. Project Pat & Juicy J


ビデオ公開日2019年8月8日
収録タイトル
元ネタ”Project Pat – North Memphis [1999年]”

California州Los Angeles出身のシンガー、Ty Dolla $inの新曲ビデオ。Tennessee州Memphisから、Project PatとJuicy Jを客演に招いた曲。楽曲をプロデュースしているのはJuicy J、Tay Keith、Crazy MikeとMemphisの面々で、完全にそちら寄りのサウンドとなっている。そのため主役の方がアウェーな印象を受けるが、ドロドロしすぎるMemphis勢のサウンドを中和するかのように存在感を放つ。

関連記事: 「Project Pat – CheezNDope 」他、週刊新譜る10(2019/7/10~7/17)

Young M.A – BIG 


ビデオ公開日2019年8月8日
収録タイトル
元ネタ

New YorkはBrooklynの女性ラッパー、Young M.Aの新作ミュージックビデオ。Drakeのレーベル「OVO Sound」に所属するプロデューサー、Mike Zombieが手掛けるTrapビートを、ダークな語り口で乗りこなす。所々変化を持たせたフロウで間延びすることもなく、地味ながら癖になる曲。

E-40 – Goat feat. Milla 


ビデオ公開日2019年8月8日
収録タイトルPractice Makes Paper [2019年7月26日リリース]
元ネタ

California州Vallejoのラッパー、E-40の新作ミュージックビデオ。同州Los Angelesのラッパー/シンガー、Millaをコーラスに招いた曲。San FranciscoのプロデューサーClayton Williamが手掛ける破壊力抜群のビートが何より印象的で、 ベイエリアらしいサウンドが楽しめる。

Young Dolph & Key Glock – Dum & Dummer 


ビデオ公開日2019年8月7日
収録タイトルDum and Dummer [2019年7月26日リリース]
元ネタ

Tennessee州Memphisのラッパー、Young DolphとKey Glockの新作ミュージックビデオ。両者のコラボアルバム「Dum and Dummer」に収録されたタイトル曲で、ドロっとしたMemphisのご当地サウンドが楽しめる。同じようなトーンでラップする両者ではあるが、キャリアがある分安定感・説得力のあるラップを聴かせるYoung Dolph、荒削りでフレッシュなKey Glockと、それぞれの個性が感じられる。

Clever – Money To The Light


ビデオ公開日2019年8月8日
収録タイトル
元ネタ

Alabama州Gadsdenのラッパー/シンガー、Cleverの新作ミュージックビデオ。この男については既に別記事でも書いたが、元々地元で名を馳せるバトルMCだった訳で、そういったHipHopの基礎的な部分をしっかりと抑えた上で現在のボーカルスタイルに行き着いている点を思えば、非常に面白い存在と言える。HipHopともR&Bとも言えない独特なサウンドは好みが分かれるだろうが、本曲での感情を爆発させたようなフロウには中毒性がある。

関連記事: Clever ~バトルMCから大きな変貌を遂げたアーティスト~

週刊新譜る10 [2019年8月7日~14日分] まとめ

今週も、この時期に合いそうなミュージックビデオやユルめの曲を多めに選出した。中でも”Bloody Jay – Thug My Way feat. Boosie Badazz”と”King Kyle Lee – 1k feat. Paul Wall & Liveola”は程良い気だるさを感じさせ、夏の疲れが溜まり始めたこのタイミングには繰り返し聴きたくなる曲だった。
一方で久々の新曲となった”Ashanti – Pretty Little Thing feat. Afro B”はまだまだ夏のテンションを高めてくれるような曲。こちらも合わせて楽しみたい。

皆さんも気になった曲はあっただろうか?是非新譜のチェックに活用していただきたい。